四十八願所巡り

京都順覧記　天保２年(1831)

京都順覧記			現在
一	聖德寺（じやうとくじ）	綾小路大宮西へ入	聖徳寺
二	休務寺（きうむじ）	錦小路大宮西へ入	休務寺
三	淨德（じやうとく）院	西之京	浄篤院／矢負如来
四	東光（とうくわう）寺	右近馬場通西	東光寺／戦場勝手如来
五	西方（さいほう）寺	北野信西寺	西方尼寺／腰掛阿弥陀如来
六	大超（たいてう）寺	一条通千本角	大超寺 ※ 昭和５８年(1983)、現在地へ移転
七	淨福（しやうふく）寺	同　千本東へ入	浄福寺
八	石像（せきざう）寺	千本一条上ル	石像寺
九	無量（むりやう）寺	石像寺一町上西裏寺	無量寺
十	称念寺（せうねんじ）	西陣まくら町	称念寺
十一	超勝（てうせう）寺[1]	安古居二階町	超勝院
十二	報恩（ほうおん）寺	上立賣小川西上ル	報恩寺
十三	寶持院（ほうぢいん）	木之下道正之東	宝慈院
十四	西園寺（さいおんじ）	寺町鞍馬口	西園寺
十五	光明（こうめう）寺	寺町今出川上ル五丁メ	光明寺
十六	阿弥陀（あみだ）寺	同　下之町	阿弥陀寺
十七	佛陀（ぶつだ）寺	同　右ノ下之町	仏陀寺
十八	真如堂（しんによたう）	東山	真正極楽寺（真如堂）／うなずきの阿弥陀
十九	淨花院（ぜうけいん）	寺町今出川下ル	清浄華院
二十	教安寺（きやうあんじ）	川東二条新地	教安寺
廿一	信行寺（しんきやうじ）	同	信行寺
廿二	大恩寺（だいをんし）	同	大恩寺
廿三	長德（ちやうとく）寺	今出川口田中	長徳寺
廿四	智恩（ちをん）寺	洛東百万べん	知恩寺
廿五	光明（くわうめう）寺	東山黒谷	金戒光明寺／鑿納めの如来
廿六	禪林（ぜんりん）寺	永觀堂也	禅林寺（永観堂）／見返り阿弥陀
廿七	金剛（こんがう）寺	三条白川橋東	金剛寺
廿八	大谷（だいこく）寺	知恩院也	知恩院
廿九	一心院（いつしんいん）	同　山上	一心院
三十	正法寺（せうぼふじ）	霊山	正法寺
三十一	西福寺（さいふくじ）	六波羅角	西福寺
三十二	阿弥陀（あみだ）	晴明のづし	「清円寺」廃寺　／阿弥陀如来像[2]は長仙院へ ※ 明治５年(1872)
卅三	本覚寺（ほんかくじ）	五条下寺町	本覚寺
卅四	上德寺（じやうとくじ）	本覚寺ノ向	上徳寺
卅五	蓮光寺（れんくわうじ）	同　下之方	蓮光寺
卅六	長講（ちやうこう）堂	同　右下之方	長講堂
卅七	延壽寺（えんじゆし）	長講堂裏寺	延寿寺
卅八	金蓮寺（こんれんじ）	因幡薬師之内	「因幡堂塔頭　金蓮寺[3]」廃寺
卅九	長伯（ちやうはく）寺	同　柳之坊	「因幡堂塔頭　長伯寺[4]」廃寺
四十	乘願（しやうぐわん）寺	寺町仏光寺下ル	乗願寺
四十一	空也（くうや）寺	右同町之角	空也寺
四十二	聖光（じやうくわう）寺	寺町綾小路下ル	聖光寺
四十三	淨教（じやうけう）寺	同　綾小路上ル	浄教寺
四十四	大雲（だいうん）院	同　町	大雲院 ※ 昭和４８年(1973)、現在地へ移転
四十五	了蓮（れうれん）寺	同　錦小路上ル	了蓮寺 ※ 明治３４年(1901)、現在地へ移転
四十六	安養（あんやう）寺	同　町	安養寺／逆蓮華の阿弥陀
四十七	圓福（ゑんふく）寺	同　蛸薬師	円福寺 ※ 明治１６年(1883)、現在地へ移転[5]
四十八	誓願寺（せいぐわんじ）	同　三条下ル	誓願寺

[1]	「超勝寺」は原文のまま。
[2]	長仙院の本尊阿弥陀如来像は、安倍晴明の木像などとともに、明治５年(1872)に清円寺から譲り受けたものといわれています。
[3]	「都名所図会（巻之二）」の因幡堂平等寺の項に以下の記述があります。 「金蓮寺の阿弥陀仏は春日の作なり　京極誓願寺と同体なり」
[4]	「都名所図会（巻之二）」の因幡堂平等寺の項に以下の記述があります。 「長伯寺は裸形阿弥陀仏を安置す」
[5]	元治元年(1864)の京都の大火災や土地没収による境内の大幅縮小がきっかけで、明治１６年(1883)に三河国額田郡岩津村（現・愛知県岡崎市）の妙心寺と寺号を交換し、本尊を含むほとんどのものが移転されました。 現在、元・円福寺の場所には妙心寺があります。