三十番神

 三十番神(さんじゅうばんしん)とは、神仏習合の信仰で、1ヶ月30日を毎日交替で国家や国民などを守護するとされた30柱の神々のことです。 伝教大師(最澄)が比叡山に祀ったのが最初とされ、平安時代末には一般に広がり、鎌倉時代に盛んに信仰されるようになりました。

 三十番神には次の10種類がありますが、これらのうち神仏習合の影響を受けた信仰の対象は5〜10です。 1〜4は吉田神道に伝わるもので、5〜10とは内容が大きく異なります。

天地擁護内侍所
王城守護吾国守護
禁闕(きんけつ)守護法華守護
如法守護法華経守護
仁王経守護10如法経守護

 三十番神に関する詳しい解説は、次の論文をご覧ください。

イワクラ(磐座)学会 研究論文電子版 「叡山三十番神 壱道・良正記の検討」
⇒ <前編>創生期における三十番神の役割
⇒ <後編>慈覚大師如法経縁起の形成と三十番神の祭祀構造
番神 諸神記 真成寺HP 神祇正宗秘要
神名 読み方 法華 如法経 禁闕 法華経 [付] 内裏
熱田 あつた 尾張 x 27日 1日 1日 1日 22日
諏訪 すわ 信濃 x 28日 2日 2日 2日 23日
広田 ひろた 摂津 x 29日 3日 3日 3日 24日
気比 けひ 越前 x 30日 4日 4日 4日 25日
気多 けた 能登 x x 5日 5日 5日 26日
鹿島 かしま 常陸 x 20日 6日 6日 6日 27日
北野 きたの 山城 x x 7日 7日 7日 28日
江文 えぶみ 山城 x x 8日 8日 8日 29日
貴船 きふね 山城 x x 9日 9日 9日 30日
伊勢 いせ 伊勢 x 1日 10日 10日 10日 1日
石清水 いわしみず 山城 x 2日 11日 11日 11日 2日
賀茂 かも 山城 x 3日 12日 12日 12日 3日
松尾 まつお 山城 x 4日 13日 13日 13日 4日
大原野 おおはらの 山城 x 13日 14日 14日 14日 5日
春日 かすが 大和 x 7日 15日 15日 15日 6日
平野 ひらの 山城 x 5日 16日 16日 16日 7日
大比叡 おおびえ/おおひえい 近江 1-6日 8日 17日 17日 17日 8日
小比叡 おびえ/こひえい 近江 7-12日 9日 18日 18日 18日 9日
聖真子 しょうしんし 近江 13-18日 10日 19日 19日 19日 10日
客人 まろうど/きゃくじん 近江 19-24日 11日 20日 20日 20日 11日
八王子 はちおうじ 近江 25-30日 12日 21日 21日 21日 12日
稲荷 いなり 山城 x 6日 22日 22日 22日 13日
住吉 すみよし 摂津 x 19日 23日 23日 23日 14日
祇園 ぎおん 山城 x x 24日 24日 24日 15日
赤山 せきざん 山城 x 21日 25日 25日 25日 16日
建部 たけべ 近江 x 22日 26日 26日 26日 17日
三上 みかみ 近江 x 23日 27日 27日 27日 18日
兵主 ひょうず 近江 x 24日 28日 28日 28日 19日
苗鹿 のうか/なえか 近江 x 25日 29日 29日 29日 20日
吉備 きび 備中 x 26日 30日 30日 30日 21日
大神 おおみわ 大和 x 14日 x x x x
石上 いそのかみ 大和 x 15日 x x x x
大倭 おおやまと 大和 x 16日 x x x x
広瀬 ひろせ 大和 x 17日 x x x x
竜田 たつた 大和 x 18日 x x x x
(注)上表の[付]は、『神祇正宗秘要』に小さな文字で付記された三十番神の日付です。

更新日:2020/08/14