八部鬼衆

 八部鬼衆(はちぶきしゅう)とは、四天王に仕え仏法を守護する8つの鬼神です。

 もとは古代インドの鬼神でしたが、仏教に帰依して仏法の守護神となりました。

 釈迦如来に仕える八部衆とは別のものです。

『仁王経合疏』 八部鬼衆
# 名称 読み方 説明
1 乾闥婆 けんだつば 香陰 持国天の眷属。香を食べます。
2 毘舎闍 びしゃじゃ 啖精気 持国天の眷属。人および五穀の精気を食べます。
3 鳩槃荼 くはんだ 甕形 増長天の眷属。人の睡眠を妨げて災難を引き起こし、厭魅鬼・厭眉鬼とも呼ばれます。
4 薛茘多 へいれいた 餓鬼 増長天の眷属。常に飢えと乾きに苦しむ鬼神です。
5 那伽 なーが 広目天の眷属。水属の王(龍王)とされています。
6 富單那 ふたんな 臭餓鬼 広目天の眷属。悪霊・吸血鬼です。
7 夜叉 やしゃ 勇健鬼 多聞天の眷属。天夜叉・地夜叉・虚空夜叉の3種類があり、地夜叉以外は飛行します。
8 羅刹 らせつ 捷疾鬼 多聞天の眷属。破壊と滅亡を司ります。