六観音と七観音

 観音菩薩は多くの人々を救うため相手に応じて33種類に姿を変えるとされています。 そこから生じた三十三観音も存在しますが、それとは別に六道世界の衆生(しゅじょう)を救うとされた六変化(へんげ)の観音があり、それを六観音と呼びます。

 六観音の構成は真言宗と天台宗で人間道を担当する観音に違いがあります。 異なる両者の六観音をすべて含めたものが七観音です。

 末法思想の広がりとともに、10世紀の貴族社会でまず六観音の信仰が始まり、それが11〜12世紀に七観音の信仰へと変化していきました。

 七観音に楊柳観音を加えたものは八大観音と呼ばれています。

観音菩薩 構成
名称 読み方 六観音
(真言宗)
六観音
(天台宗)
七観音 八大観音
1如意輪観音 にょいりん〔かんのん〕 1天道 1天道
2准胝観音 じゅんてい 2人間道 9
3不空羂索観音 ふくうけんじゃく 9 2人間道
4十一面観音 じゅういちめん 3修羅道 3修羅道
5馬頭観音 ばとう 4畜生道 4畜生道
6千手観音 せんじゅ 5餓鬼道 5餓鬼道
7聖観音 しょう 6地獄道 6地獄道
8楊柳観音 ようりゅう 9 9

更新日:2023/11/18