七仏薬師

 七仏薬師(しちぶつやくし)とは、『薬師瑠璃光七仏本願功徳経(七仏薬師経)』や『薬師如来本願経』で説かれている、薬師如来を主体とした七尊の仏のことです。

 西にある阿弥陀如来の極楽浄土に対して、東には七仏薬師の仏国(=浄土)が7つ並んであり、一番遠い7番目に薬師如来の浄瑠璃浄土があります。

 天台密教では七仏薬師を本尊として延命・息災・安産などを祈る修法が重視され、8〜9世紀の藤原摂関家で信仰が広まりました。

名称 読み方 仏国 距離
1善名称吉祥王如来 ぜんみょうしょうきちじょうおう〔にょらい〕 光勝国 東へ四競伽沙[1]
2宝月智厳光音自在王如来 ほうがつちごんこうおんじざいおう 妙宝国 東へ五競伽沙
3金色宝光妙行成就王如来 こんじきほうこうみょうぎょうじょうじゅおう 円満香積国 東へ六競伽沙
4無憂最勝吉祥王如来 むうさいしょうきちじょうおう 無憂国 東へ七競伽沙
5法海雲雷音如来 ほうかいうんらいおん 法幢国 東へ八競伽沙
6法海勝慧遊戯神通如来 ほうかいしょうえゆげじんつう 善住法海国 東へ九競伽沙
7薬師瑠璃光如来 やくしるりこう 浄瑠璃国 東へ十競伽沙
[1]四競伽沙=4×1052(単位は不明)だそうですが、とにかくとてつもなく遠い距離です。