神仏霊場 和歌山1番 |
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太平洋に注ぐ熊野川の河口付近に位置する熊野速玉大社は、不思議な明るさをみせる。
参道を進み、樹齢八百余年といわれる神木の梛の大木を仰ぎながら、神門をくぐると、広い境内に1953年(昭和28)に再建された鮮やかな朱塗りの社殿が建ち並び、清浄ななかに、その輝きを放つ。
どこか命の甦りを感じさせるのだ。
全国に祀る熊野神社総本宮として皇室の尊崇も篤く、2004年(平成16)7月、世界文化遺産に登録された。
速玉大社の南には、大社の元宮、神倉神社がある。
その神体山の中腹に屹立する巨岩はゴトビキ岩とよばれ、ここに熊野三所大神が降臨したという。
また、この岩は神話の舞台ともされた。
九州から東征の旅に出た神武天皇が熊野に上陸し、最初に登った天盤盾にあたるとされる。
出所:『神と仏の道を歩く』から抜粋