神仏霊場 和歌山2番 |
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天台宗 |
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那智の大滝を望み、熊野那智大社と並んで建っている青岸渡寺は、もとは那智大社と一体であった如意輪堂であるが、明治時代に分離される。
その後、寺として復興された。
那智滝は、三国(日本・震旦=中国・天竺=インド)無双の名瀑であり、荘厳さにおいてはわが国でも随一とされる。
高さ三十余丈(133メートル)、幅四丈二尺、天の川が注ぎ下るごとくである。
古くより滝本修行の聖地であり、大滝の絶頂には花山院の一千日滝籠りの跡がある。
神体は大己貴命にして、飛瀧権現と称される。
その本地仏(本来の姿)が、本尊の如意輪観音である。
寺伝では、裸形上人が、那智の大滝から出現した観音の霊仏を感得し、草庵に安置したといわれる。
出所:『神と仏の道を歩く』から抜粋