神仏霊場 和歌山3番 |
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133メートルという落差を誇る那智の大滝。
緑深い原生林のなか、切り立つ岸壁にしぶきをあげ、轟音を響かせて一気に流れ落ちる、雄大で厳粛なその姿に、人々は聖なるもの、無限の力をもつ神を感じていたのだろう。
これが熊野信仰の根源であるといっても過言ではない。
317年(仁徳天皇5)、それまで御瀧本に祀られていた神々を、那智山中腹の現在の社地に遷したのが那智大社のはじまりである。
熊野那智大社の信仰は、大滝そのものを神として崇めたことにはじまる。
那智大社は、この大滝をご神体とする別宮の飛瀧神社から山に登った中腹にある。
出所:『神と仏の道を歩く』から抜粋