神仏霊場 和歌山6番 |
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天台宗 |
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道成寺は、慈悲の仏である本尊千手観音菩薩の救済にあずかろうと、古来多くの人々が参詣した。
そして、寺に伝わる「安珍・清姫の説話」は、人々に、人間の業の恐ろしさ、煩悩の罪深さを説き、この寺をさらに名高いものにした。
寺は、701年(大宝1)に文武天皇の勅願寺として紀大臣道成が創建したといい、発掘調査により、境内から8世紀ごろの講堂・中門・回廊・塔・金堂などを備えた一大伽藍の跡が見つかっている。
現在の建物は、本堂が南北朝時代、三重塔が江戸時代の再建。
だが仏像は古く、本尊(国宝)は平安前期の堂々たる作風を示す。
また、近年、もう一体の千手観音像が発見され、注目された。
奈良時代の様式を示す古像で、寺の歴史の古さを物語っている。
出所:『神と仏の道を歩く』から抜粋