神仏霊場 和歌山11番 |
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丹生官省符神社は、慈尊院の南の高台にある。
石の大鳥居をくぐり、119段の石段を上りきると、大きな丹塗りの鳥居が建つ。
その向こうが広庭。
拝殿を経て、その奥に丹塗りも鮮やかな本殿が建つ。
境内から紀ノ川、和泉山脈が一望でき、桜、紅葉の季節はことに参詣者が多い。
社名は新しいもので、古くは丹生高野明神社、丹生七社大明神などとよばれた。
官省符の名は、このあたりに高野山の官省符荘(庄)があったことによる。
官省符とは、太政官と民部省が発行する公文書で、これによって設立を認められた荘園は、不輸不入、つまり租税を免除され、国司らの干渉を受けることのない特権を与えられた。
この荘園を管理するために政所が置かれ、その鎮守が七社明神社であった。
出所:『神と仏の道を歩く』から抜粋