神仏霊場 奈良18番 |
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奈良盆地を流れる複数の川が合流する、川合という地に、廣瀬大社は鎮座する。
『延喜式』神名に「廣瀬坐和加宇加売命神社」として登場し、崇神天皇の時世に創建されたという古社である。
主祭神の若宇加能売命は、別名を大忌神という農業神。
祀られている場所からは、水神としての性格がうかがえる。
廣瀬の名が史料に初めて現われるのは、『日本書紀』675年(天武4)4月の条。
「風神を龍田の立野に、大忌神を廣瀬の河曲に祀る」と記されている。
龍田とは生駒にある龍田大社、もうひとつが廣瀬大社のこと。
これは風水害のないことを祈る「風神祭」と、五穀豊穣を祈願する「大忌祭」の初見だとされている。
出所:『神と仏の道を歩く』から抜粋