神仏霊場 奈良22番 |
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真言宗豊山派 |
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三方を山に囲まれ、西だけが開けた初瀬の地に伽藍は営まれている。
この地のことを『記紀』や『万葉集』は、山に囲まれた地形の意で、「こもりく」(隠国、隠口)と表現している。
山号は豊山神楽院。
創建は、飛鳥川原寺の道明が天武天皇のために「銅板法華説相図」(国宝)を造立し、現在の五重塔近くに安置したことにはじまるという。
これが686年(朱鳥1)のことで、本長谷寺とよばれる。
舞台を備えた懸造りの本堂には、本尊の十一面観音立像(重文)が祀られている。
七度の火災を経て1538年(天文7年)に再興された、右手に錫杖を取る、像高10メートルを超える巨大な木彫像である。
最初の造像は、奈良時代に遡る。
出所:『神と仏の道を歩く』から抜粋