神仏霊場 奈良25番 |
|
真言宗 |
|
南大和の壺阪山中に建つ壺阪山平等王院南法華寺は、壺阪寺の通称で知られる。
本尊の十一面千手千眼観音像は、眼病平癒の利益で知られ、平安時代から篤い信仰を集めていた。
平安時代中期に書かれた清少納言の『枕草子』にも、壺阪寺の名は登場する。
寺には、沢市という座頭の目が、観音の霊験で開いたという伝説が伝わっている。
人形浄瑠璃や歌舞伎の『壺坂霊験記』は、お里・沢市の夫婦愛に彩られた伝説を脚色したもの。
明治期に初演されて壺阪寺の名を広く知らしめ、今も人気演目となっている。
創建については不明な点が多いが、703年(大宝3)に元興寺僧の弁基が建立したという説が有力だ。寺域から出土した瓦や、三重塔の旧心礎の様式も、白鳳時代の創立を裏づけている。
出所:『神と仏の道を歩く』から抜粋