神仏霊場
奈良25番
みなみ ほっ け じ つぼ さか でら
南法華寺 (壷阪寺)

真言宗
本 尊
住 所
電 話
URL
備 考38番、写真

 南大和やまと壺阪つぼさか山中に建つ壺阪山平等王院びょうどうおういん南法華寺は、壺阪寺の通称で知られる。 本尊の十一面じゅういちめん千手せんじゅ千眼せんげん観音かんのん像は、眼病平癒の利益りやくで知られ、平安時代からあつい信仰を集めていた。 平安時代中期に書かれたせい少納言しょうなごんの『まくらの草子そうし』にも、壺阪寺の名は登場する。
 寺には、沢市さわいちという座頭の目が、観音の霊験で開いたという伝説が伝わっている。 人形浄瑠璃じょうるり歌舞伎かぶきの『壺坂つぼさか霊験記』は、お里・沢市の夫婦愛に彩られた伝説を脚色したもの。 明治期に初演されて壺阪寺の名を広く知らしめ、今も人気演目となっている。
 創建については不明な点が多いが、703年(大宝3)に元興寺がんごうじ僧の弁基べんきが建立したという説が有力だ。寺域から出土したかわらや、三重塔の旧心礎の様式も、白鳳はくほう時代の創立を裏づけている。

出所:『神と仏の道を歩く』から抜粋