神仏霊場 奈良28番 |
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吉野郡東北部の三尾川・木津川・日裏川が合流し、高見川となる、小という地に鎮座する。
日裏川は、『万葉集』にも詠われた東の滝となって流れ落ち、近くにはツルマンリョウやツクバネ・ヤマユリなど、貴重な植物が数多く自生する。
俗世とはかけ離れた深山幽谷にあり、水と緑に包まれた社叢は、新緑と紅葉の季節には格別に美しく彩られる。
もとは蟻通神社と称していたが、1922(大正11)になって、丹生川上神社はここであるとの主張が内務省の調査で明らかとなり、本来の丹生川上神社と認められた。
本殿は1829年(文政12)の建築で、檜皮を葺いた流造り。
施された極彩色が、周囲の緑によく映える。
神殿には、平安時代の制作と考えられる木彫の神像が七軀、ひっそりと祀られている。
出所:『神と仏の道を歩く』から抜粋