神仏霊場 大阪8番 |
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大阪市中央区付近の御堂筋は、オフィスビル街である。
通りに面して本願寺別院の南御堂と北御堂が並ぶことから、その名がある。
南御堂のすぐ近くに鎮座するのが坐摩神社。
通称「ざまじんじゃ」。
平安時代の『延喜式』神名に「摂津国西成郡大社」と記載された古い歴史をもつ。
祭神の「坐摩神」は、阿須波神ほか四神の総称である。
その阿須波神に祈願した防人の「庭中の阿須波の神に木柴さし 吾は斎はむ帰り来までに」の歌が『万葉集』(巻第二十)にある。
旅の安全を祈願した歌だと解釈されている。
阿須波神が祀られたこの庭が、坐摩神社であった可能性は高い。
もともとの鎮座地は、古代の難波津の候補地、大阪城北西の天満橋南詰め付近にあったからである。
出所:『神と仏の道を歩く』から抜粋