神仏霊場 大阪15番 |
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高野山真言宗 |
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檜尾山観心寺は、トンネルで金剛山脈を抜けて奈良と大阪を結ぶ、国道310号沿いにある。
戦前は草深い山里の寺ではあったが、近畿地方では、その名はよく知られていた。
その当時、正統とされた南朝の忠臣、「大楠公」とよばれた楠木正成(1294〜1336)に縁の深い寺だからである。
正成は、鎌倉幕府に対して討幕の軍事行動を開始、のちに南朝の祖となる後醍醐天皇にいち早く呼応した武将だった。
幼いころ当寺で学んだが、神戸の湊川で北朝方の足利軍に敗れて討ち死にする。
今も境内の一画で祀られている。
当寺の基礎を作ったのは修験道の開祖の役行者。
701年(大宝1)のことである。
出所:『神と仏の道を歩く』から抜粋