神仏霊場 京都47番 |
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天台宗 |
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琵琶湖疏水に沿う道を歩くと、極楽橋という小さな橋が架かり、渡れば参道である。
老楓が桜・檜と高さを競い、紅葉の名所で知られる。
参道は異なるふたつの顔をもっている。
幅も狭く、やや急な石段上の仁王門に至る参道は山寺の趣があり、親しみを込めていう「毘沙門さん」の石段が続く。
石段を通り過ごして隣の毘沙門坂、勅使門への参道は広く、天台宗五門跡のひとつとしての寺格が漂う。
山号は護法山といい、正式には安国院出雲寺という。
703年(大宝3)、行基が勅願で開基、と寺伝にあり、平安京遷都前の出雲路(現上京区)が最初の地だ。
平安期には最澄自作と伝わる毘沙門天を本尊にし、藤原定家は『明月記』で桜の名所と記している。
出所:『神と仏の道を歩く』から抜粋