神仏霊場 滋賀14番 |
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東寺真言宗 |
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平安時代の石山詣は、京都から逢坂山を越え、打出浜から船で瀬田川を下った。
船で行く風雅な参詣は今、クルーズ船に姿を変え、継承されている。
山門(重文・鎌倉)には大提灯が掛かり、両翼には仁王像が拳を振り上げる。
境内は参道が真っすぐに延び、突き当りの石段を上ると、珪灰石の岩場の前に至る。
石灰岩が花崗岩マグマとの接触によって熱変性した後に露出した、この奇岩怪石(国天然記念物)は石山寺の名の起こりにもなった。
山号は石光山。
『石山寺縁起絵巻』(重文)には、747年(天平19)、良弁僧正(のちに東大寺別当)が岩山で釣り糸を垂れる老翁、比良明神の化身から観音霊地の啓示を受け、聖武天皇の念持仏の如意輪観音像を安置したのがはじまりとある。
出所:『神と仏の道を歩く』から抜粋