本 尊 住 所 電 話 URL 備 考 152番

　比叡山（ひえいざん）には坂本側からケーブル電車で登り、その下りの道中が、天台密教の全体の寺観をつかみやすい。 ケーブル坂本駅手前の登り口から３キロを表坂とよび、歩いて１時間半の道には石標、祠（ほこら）、往時の休憩所も残っている。 ケーブルなら１０分で延暦寺（えんりゃくじ）に着く。
　近江（おうみ）国滋賀郡古市郷（ふるいちごう）（現大津市）に生まれた開祖最澄は７８８年（延暦７）、比叡山に籠（こも）り、比叡山寺を開創、自作の薬師（やくし）如来（にょらい）像を安置し、祈願道場にした。 これが一乗止観院で、のちの根本中道の起こりとされている。 ６年後、桓武（かんむ）天皇が都の鬼門（きもん）鎮護（ちんご）の霊場に定め、寺運は隆盛になり、最澄が唐から帰国後の８０６年（延暦２５）、天台宗の開宗が許可された。

出所：『神と仏の道を歩く』から抜粋