二十二社
上七社
い せ じん ぐう
伊勢 神宮

 正式名称は「神宮」。 天照あまてらす大御神おおみかみをまつる内宮ないくう皇大こうたい神宮じんぐう)と、豊受とようけの大御神おおみかみをまつる外宮げくう豊受とようけ大神宮だいじんぐう)から成り、さらに県内の4市2郡にまたがって合計125の摂社や末社、所管社があり、これらすべてを指している。

 内宮は神宮の中心。 その広さは伊勢市の約4分の1を占め、国内最大の神域となっている。 鳥居をくぐって玉砂利の敷き詰められた道を15分ほど歩くと正宮しょうぐうの前に出る。 通常、正殿しょうでんは四重の垣根で囲われており、なかを見ることはできない。 祭神・天照大御神は皇室の祖先。 日神ひのかみとも称し、すべての秩序の根源ともいわれる。 内宮の創建は天皇の皇女・倭姫やまとひめのみことが天照大御神を伊勢にまつったことが始まりだとされる。 『日本書紀』によると、「是れ、神風の伊勢の国は、即ち常世とこよの浪、重浪しきなみの帰する国なり、傍国かたくにの(中心ではないが)可怜うまし(美しい)国なり。 この国に居らんとおもう」との神託があったという。

 外宮が鎮座したのは、内宮の500年後。 雄略ゆうりゃく天皇の時代に神におそなえする食物をつかさどる豊受大御神を丹波国(京都府北西部と兵庫県東部)から迎えた。 こちらも神託によるもので、天皇の夢に天照大御神が顕れてそれを望んだという。 外宮の御饌みけ殿でんでは、天照大御神をはじめとする神宮の神々に神饌しんせんをお供えする祭事が、朝夕2回、行なわれている。

出所:『日本の神社100選』から抜粋

更新日:2019/04/30