吉祥院の神社 松尾神社 (2)

 石原と嶋の松尾神社は、松尾大社の祭礼である松尾祭の神幸祭・還幸祭において、神輿行列の先頭を巡幸する重要な役割を担っています。

石原松尾神社
祭 神松尾大社と同じ(松尾大神)、一説には猿田彦大神
創 建不明
所在地〒601-8367 南区吉祥院石原町71
摂末社2社(不詳)

 『市民しんぶん南区版 第206号❐』の特集記事で、石原松尾神社のことが次のように説明されています。

 江戸時代初期に、大社の氏子区域の中で距離の遠かったこの地で、大社の猿田彦大神の分神を受け、その「御面(おめん)」を祭神として奉祀したのが、石原松尾神社の起源だと伝えられています。
 松尾大社の祭礼である松尾祭の神幸祭・還幸祭には、この「御面」と嶋松尾神社の榊を合わせた「榊御面」が、神輿(みこし)行列の先頭に立ち、巡幸中の安全を守る重要な役割も担っています。

 松尾大社やその摂末社で猿田彦大神を祀っているという情報は見当たりません。 猿田彦といえば右京区山ノ内にある猿田彦神社(山之内庚申)が有名で、ここから分神を受けたというのなら素直に納得できるのですが。。。

 またまた個人の仮説ですが、猿田彦大神を祀ったのが石原松尾神社の始まりというのは正しくて、主祭神が松尾大神に変わった時、元の主祭神だった猿田彦大神を尊重し『道の神様』らしく神輿の先導役を務めるようになったのではないでしょうか。

 本殿に向かって右奥と右手前に摂末社がありますが、右奥の摂末社が猿田彦大神を祀った社ではないかと睨んでいます。

嶋松尾神社
祭 神(松尾大神)
創 建不明
所在地〒601-8374 南区吉祥院嶋笠井町74
摂末社なし

 『市民しんぶん南区版 第204号❐』の特集記事で、嶋松尾神社のことが次のように説明されています。

 かつて大社の神様が亀と鯉の背に乗って桂川を遡ってこれらたときにこの地を大いに愛でられ、初めて地面に降り立たれた神聖な場所だと伝えられています。
 そのため、吉祥院石原町にある松尾神社とともに、松尾大社の祭礼である松尾祭の神幸祭・還幸祭には、神輿(みこし)行列の先導をして嶋町・石原町の「榊御面」が巡幸中の安全を守ります。

 嶋という地名が示すように、ここは桂川の氾濫で水に浸かることの多かった低地です。 松尾大神がこの地を愛でてここに降り立ったというのは、たいへん興味深い言い伝えです。

更新日:2018/12/01