『江戸の八百八町、浪華の八百八橋、京の八百八寺』

 京都にお寺が多いことの例えとしてこのような言い方がありますが、実際には京都府下で3000以上もの寺院があります。

 街じゅう寺院だらけのイメージがあって、寺院の数も密度も当然トップと思われがちな京都ですが、意外とそうではありません。 寺院数(表1)では愛知県が1位で京都府は5位、人口当たりの寺院密度(表2)では滋賀県が1位で京都府は13位です。

 とはいえ、全国の本山の1/3以上が集中し広大な寺院が多い京都、特に京都市は日本を代表する宗教都市であり、街全体が大きな門前町と言っても過言ではありません。

表1 都道府県別寺院数(トップ10)
順位都道府県寺院数
[寺]
1愛知県4,558
2大阪府3,382
3兵庫県3,282
4滋賀県3,203
5京都府3,065
6千葉県3,004
7東京都2,876
8新潟県2,780
9静岡県2,619
10福岡県2,383
出所:「宗教年鑑 令和2年版」(文化庁)
表2 都道府県別寺院密度(トップ10)
順位都道府県寺院密度
[寺/人口10万人]
1滋賀県226.5
2福井県218.6
3島根県193.5
4山梨県183.7
5和歌山県171.2
6富山県148.9
7山形県137.2
8奈良県136.7
9三重県131.9
10佐賀県131.9
13京都府118.7
出所:「宗教年鑑 令和2年版」(文化庁)と「人口推計(2019年10月)」(総務省)から算出

 都道府県別の神社数(表3)の第1位は新潟県で、2位が兵庫県、3位が福岡県と続き、京都府は18位です。 また人口当たりの神社密度(表4)でみると1位は高知県で、2〜4位が北陸3県の福井県、富山県、新潟県。 京都府はなんと32位です。

 数でも密度でもイマイチぱっとしない京都の神社ですが、有名な神社はたくさんあります。

 全国の稲荷神社の総本宮で千本鳥居が世界的に有名な伏見稲荷大社、 世界文化遺産に登録された上賀茂・下鴨神社、 受験生に超人気の学問の神様北野天満宮、 日本三大八幡宮のひとつ石清水八幡宮、 日本三大祭のひとつ祇園祭で知られる八坂神社、 朱色の大鳥居が目印の観光スポット平安神宮、 防火のお札「火迺要慎(ひのようじん)」の愛宕神社、 お酒の神様松尾大社、 パワースポット晴明神社、・・・

表3 都道府県別神社数(トップ10)
順位都道府県神社数
[社]
1新潟県4,689
2兵庫県3,873
3福岡県3,410
4愛知県3,355
5岐阜県3,271
6千葉県3,171
7福島県3,054
8静岡県2,846
9広島県2,700
10茨城県2,490
18京都府1,761
出所:「宗教年鑑 令和2年版」(文化庁)
表4 都道府県別神社密度(トップ10)
順位都道府県神社密度
[社/人口10万人]
1高知県309.9
2福井県222.3
3富山県218.0
4新潟県210.9
5大分県187.0
6徳島県179.9
7島根県173.7
8石川県165.4
9岐阜県164.9
10福島県164.6
32京都府68.2
出所:「宗教年鑑 令和2年版」(文化庁)と「人口推計(2019年10月)」(総務省)から算出

 宗教都市京都には、京都が発祥とされる七福神巡りをはじめとして多くの霊場巡りがあります。 さらに近年の巡礼ブームで、途絶えていた霊場巡りの復活や新たなご利益巡りの創設が続き、その数を増しています。

 何かとストレスの多い現代社会。人々の心に安らぎと潤いを与えてくれる霊場巡りは、これからもますます盛んになることでしょう。

更新日:2021/03/04