日本三大仏

日本三大仏は、江戸時代、戦前、戦後の3つの期間に分けられます。

● 江戸時代
京の大仏は豊臣秀吉によって文禄5年(1596)に造られましたが、慶長伏見地震によって開眼法要前に倒壊しました。 豊臣秀頼によって造営された銅製の2代目大仏、寛文年間に再建された木造の3代目大仏、天保年間に再建された木造の4代目大仏がありましたが、昭和48年(1973)の火災で焼失して以降は再建されていません。 4代目は上半身のみで出来も良くなかったためか、三大仏として認知されなかったようです。
三大仏が実在した期間は、奈良の3代目大仏が再建された元禄5年(1692)から、京の3代目大仏が焼失した寛政10年(1798)までの約100年間です。
三大仏 仏像・材質・像高 寺院 所在
奈良の大仏
(3代目)
盧舎那仏坐像
銅造・約14.7m
東大寺 toudai-ji
鎌倉大仏 阿弥陀如来坐像
銅造・約11.4m
高徳院 神奈川県鎌倉市長谷4丁目2-28
京の大仏
(3代目)
盧舎那仏坐像
木造・約19m
方広寺 houkou-ji

● 戦前
明治24年(1891)に造営された兵庫大仏が3尊目の座を埋め、ようやく三大仏が揃いました。 しかし、兵庫大仏は昭和19年(1944)の金属類回収令による供出で失われ、平成3年(1991)に再建されました。
三大仏が揃っていた期間は、明治24年(1891)から昭和19年(1944)までの約50年間です。
三大仏 仏像・材質・像高 寺院 所在
奈良の大仏
(3代目)
盧舎那仏坐像
銅造・約14.7m
東大寺 toudai-ji
鎌倉大仏 阿弥陀如来坐像
銅造・約11.4m
高徳院 神奈川県鎌倉市長谷4丁目2-28
兵庫大仏
(初代)
毘廬舎那仏坐像
銅造・約8.5m
能福寺 noufuku-ji

● 戦後以降
兵庫大仏が供出で失われて以降、三大仏の3尊目について固定化された説はありません。
また、牛久大仏(茨城県牛久市、像高100m)や仙台大観音(宮城県仙台市、像高100m)などのように、三大仏とは自称・他称されないものの、奈良の大仏よりも大きな仏像は日本中に多数あります。
三大仏 仏像・材質・像高 寺院 所在
1 奈良の大仏
(3代目)
盧舎那仏坐像
銅造・約14.7m
東大寺 toudai-ji
2 鎌倉大仏 阿弥陀如来坐像
銅造・約11.4m
高徳院 神奈川県鎌倉市長谷4丁目2-28
3 高岡大仏 阿弥陀如来坐像
銅造・約7.4m
大佛寺 富山県高岡市大手町11-29
岐阜大仏 釈迦如来の坐像
乾漆造・約13.6m
正法寺 岐阜県岐阜市大仏町8
兵庫大仏
(2代目)
毘廬舎那仏坐像
銅造・約11m
能福寺 noufuku-ji
東京大仏 阿弥陀如来坐像
青銅製・約8.2m
乗蓮寺 東京都板橋区赤塚5丁目28-3

更新日:2025/01/05