五名水
●西陣五水
西陣五水(にしじんのごすい)は、上京区西陣付近の5ヶ所の名水です。
⇒ 京都新聞HP「ふるさと昔語り」❐(リンク切れ)
五名水 読み方 所在地、備考
1染殿井 そめどのい 雨宝院(西陣聖天)
雨宝院の境内南東隅にあります。
2桜井 さくらい 上京区智恵光院通五辻下ル桜井町(桜井基佐邸址)
首途八幡宮の社務所内にあったと伝えられ、現在は桜井公園に模造されています。
3安居井 あぐい 上京区大宮通寺之内西入下ル
比叡山東塔竹林院の里坊安居院ゆかりの井戸と伝えられています。非公開です。
4千代野井 ちよのい 本隆寺
本隆寺の本堂前にあります。享保15年(1730)の大火[1]の際、この水をかけて本隆寺は災いを免れたと伝えられています。
5鹿子井 かのこい 上京区智恵光院通寺之内下ル
民家内にあり非公開です。
[1]享保15年(1730)の大火は、西陣地区の134町を焼き尽くした「西陣焼け」と呼ばれる火事です。 「京都大辞典」P709では、伝承を天明8年(1788)の天明の大火と説明していますが、ここでは京都新聞HPの情報に従いました。

●男山五井
八幡の五井、五清泉[2]とも呼ばれました。
五名水 読み方 所在地、備考
1筒井 つつい 石清水八幡宮
頓宮北門の左手前、参道沿いにあります。
2藤井 ふじい 石清水八幡宮
摂社高良神社の左狛犬の横にあります。
3石清水井 いわしみずい 石清水八幡宮
摂社石清水社にある霊泉で、石清水八幡宮の名前の由来となりました。 石清水八幡宮で斎行される年間100余の祭典には、今でも当日早朝に汲み上げられた「石清水」が献供されています。
4山井 やまのい 八幡市八幡平谷 相槌神社[3]
筑紫国の刀鍛冶が男山に籠って神託をさずかり、膝丸・髭切という二振の神剣を作った際に使った水とされています。 このとき稲荷神がやってきて相槌を務めてくれたので、井戸の脇にこれを祀ったのが相槌稲荷(現・相槌神社)です。
5閼伽井 あかい 八幡市橋本狩尾 狩尾神社
男山の西麓にあたり、昭和40年代の宅地造成で消滅したようです。
[2]都名所図会(巻之五)」の石清水八幡宮の項に以下の記述があります。 「五清泉 石清水 筒井 福井 藤井 赤井等也 其所圖にあり」
[3]相槌神社は古くは石清水八幡宮の末社で、表参道・七曲りあたりにありました。鳥居の額には「三条小鍛冶」とありますが、刀鍛冶は別人のようです。

更新日:2016/06/19