七名水
●茶の七名水
能阿弥が選んだ茶の名水7箇所です。
七名水 読み方 所在地、備考
1御手洗井 不詳
2水薬師の水 みずやくし 水薬師寺
かつて境内にあった弁天堂の池ですが、現存しません。 平清盛が熱病にかかった時、この水で水浴して快癒したと伝えられ、清盛井(きよもりのい)、岩井、石井などと呼ばれていました。
3大通寺の井
(誕生水)
だいつうじ 六孫王神社
源満仲公誕生の時に産湯として使われた井戸は新幹線の高架橋の下になってしまい、現在は同じ水脈から汲み上げている2代目です。 また、大通寺そのものも旧国鉄東海道線の建設で明治45年(1912)に南区西九条比永城町へ移転し、六孫王神社だけが残されました。
4常盤井 ときわい 北区紫野下築山町
智恵光院通から少し東へ入った所に「常盤井」の石碑があります。
5醒ヶ井[1] さめがい 下京区佐女牛井町(源氏六条堀川邸跡)
第二次世界大戦中の建物疎開で井戸はなくなり、跡地は堀川通となりました。下京区堀川通五条下ル西側に「佐女牛井之跡」の石碑が建てられています。
6中川井 なかがわい 寺町二条(旧妙満寺跡)
昭和43年(1968)、妙満寺が岩倉幡枝に移転した際に中川の井の遺構と石碑も移されました。
7芹根水 せりねすい 堀川通木津屋橋南
下京区西堀川通塩小路上ル東側(梅小路小学校の西)に「芹根水」の石碑があります。
[1]下京区四条通堀川東入北側の和菓子屋さんに「醒ヶ井」の水がありますが、この井戸は平成3年(1991)に掘られたもので、「佐女牛井」とは水脈も異なるようなので別としました。

●都七名水
他に都七井(常磐井、縣井、石井、少将井、鴨井、山井、松井)や洛陽七名水(芹根水、醒ヶ井、中川の井、誕生水、滋野井、菊水の井、柳の水)など、様々な組み合わせが見られます。
七名水 読み方 所在地、備考
1天之真名井 あまのまない 市比賈神社
歴代天皇の産湯に用いられたという伝承が残り、現在も名水として茶会、花展・書展等に用いられています。
2芹根井 せりねい 「茶の七名水」参照
3古醒井 不詳
4醒ヶ井 さめがい 「茶の七名水」参照
5六孫王社[2]
誕生水
たんじょうすい 「茶の七名水」参照
6中川井 なかがわい 「茶の七名水」参照
7滋野井[3] しげのい 上京区下立売油小路東入南側(滋野貞主邸跡)
民家の庭に井桁だけが残っていましたが、平成30年(2018)3月、京都まなびの街生き方探究館(旧・滋野中学校)前に井桁が移設されました。
[2]Web上で「六孫王者」の表記を見かけますが、「者」は「社」の誤植だろうと思います。
[3]西洞院椹木町上ルの生麩屋さんの敷地内に「新滋野井」があります。 この井戸は昭和55年(1980)に掘られたもので、位置的には滋野貞主邸跡にあたりますが、元の場所から南東へ100mほど離れているため「滋野井」とは別としました。

●伏見七井(ふしみしちせい)
七井 読み方 所在地、備考
1石井
(岩井)
いわい 旧石井村 御香宮
明治以降は枯れていましたが、昭和57年(1982)に復元され、現在も「石井の御香水」が湧き出ています。 昭和60年(1985)に環境庁の「名水100選」に選定されました。
2常盤井[4] ときわい 伏見区常盤町
昭和32年(1957)国道24号線の拡張工事で破却され、井戸の井筒は御香宮の弁天社前の石橋に転用されました。
3白菊井[5] しらぎくい 金札宮
昭和40年(1965)頃まで水が湧いていましたが、現在は枯れています。 平成2年(1990)、近くの伏見板橋小学校に井戸が掘られ「白菊の井戸」と名付けられました。
4春日井 かすがい 伏見区桃山町本多上野・泰長老(江戸町交差点)付近
5苔清水 こけしみず 伏見区桃山筑前台町(JR桃山駅踏切北側)付近
6竹中清水 たけなかしみず 伏見区竹中町付近
現在はT酒造株式会社の伏見工場内に復活(?)した井戸水が「竹中清水」と呼ばれています。
7田中清水 たなかしみず 伏見区清水町付近
[4]昭和49年(1974)、伏見区新町11丁目にあるK正宗工場内の井戸水が「常盤井水」と名付けられましたが、常盤井から離れていて水脈も異なりそうなので別としました。
[5]伏見区上油掛町の鶏料理店に「白菊水」が湧いています。 このお店はもともと酒の蔵元で、白菊水の湧く現在地で延宝5年(1677)に創業されました。 位置的には伏見板橋小学校や金札宮のほぼ真南にあり、同じ水脈とみられますが、距離的に離れているため別としました。

●宇治七名水
七名水 読み方 所在地、備考
1阿弥陀水 あみだすい 平等院 鐘楼付近
明治初期に失われましたが、鳳凰堂の南側平橋南袂に井戸と石碑が再興されています。
2泉殿 いずみどの 宇治市宇治戸ノ内
U株式会社宇治工場の南入口左に石碑があります。
3法華水 ほっけすい 平等院内 浄土院の北
明治初期に失われましたが、平成23年(2011)に浄土院北側に再興されました。ただし一般観光客は拝見できません。
4公文水 くもんすい 宇治市宇治蓮華付近
橋姫神社の北に石碑があります。
5桐原水 きりはらすい 宇治上神社
宇治七名水の中で現存する唯一のものです。
6百夜月井
(桃ノ井)
ももよづきい 宇治市宇治壱番(旧四番町)付近
宇治神社御旅所西隣のガソリンスタンドの西に「百夜水」の石碑があります。
7高浄水 こうじょうすい 宇治市宇治戸ノ内と若森の境界付近
泉殿の近く、小さな「アトリエ」の看板がある路地奥右に石碑があります。
阿弥陀水
泉殿
公文水
桐原水
百夜水
高浄水

更新日:2021/05/15