過去七仏

 過去七仏(かこしちぶつ)とは、釈迦を含め釈迦仏までに登場した7人の仏陀のことです。

 釈迦の死後、仏教を開いた釈迦ただ一人が仏陀とされるようになりましたが、そもそも仏陀は「目覚めた人」を指す普通名詞であり、釈迦だけを指す固有名詞ではありませんでした。

 仏教では、劫(こう)というとてつもなく長い時間の単位で、過去の荘厳劫(しょうごんこう)・現在の賢劫(けんごう)・未来の星宿劫(しょうしゅくこう)の三世(さんぜ)において、それぞれ千人ずつ仏(仏陀)が出現すると説かれています。 そして過去の千仏のうち最後の三仏が前三仏、現在の千仏のうち最初の四仏が後四仏といわれています。

 『過去荘厳劫千仏名経(せんぶつみょうきょう)』『現在賢劫千仏名経』『未来星宿劫千仏名経』にはそれぞれ本当に千仏の名が列記されているそうです。 すごいですね。

七仏 名称 読み方 説明
1第一仏 毘婆尸仏 びばしぶつ 前三仏、過去荘厳劫の998番目に登場
2第二仏 尸棄仏 しきぶつ 前三仏、過去荘厳劫の999番目に登場
3第三仏 毘舎浮仏 びしゃふぶつ 前三仏、過去荘厳劫の1000番目に登場
4第四仏 倶留孫仏 くるそんぶつ 後四仏、現在賢劫の1番目に登場
5第五仏 倶那含牟尼仏 くなごんむにぶつ 後四仏、現在賢劫の2番目に登場
6第六仏 迦葉仏 かしょうぶつ 後四仏、現在賢劫の3番目に登場
7第七仏 釈迦牟尼仏 しゃかむにぶつ 後四仏、現在賢劫の4番目に登場

 なお、釈迦牟尼仏は実在の人物ですが、それ以外の六仏については実在が確認されていません。 とは言えすべてが完全な創作とも思えず、第一仏から第三仏までが創作で、第四仏から第六仏までは釈迦の時代かそれ以前に実在した聖者ではないかという気がします。 何の根拠もない単なる私の妄想ですので、悪しからず。

更新日:2024/03/26