二十五菩薩

 二十五菩薩(にじゅうごぼさつ)とは、阿弥陀仏を念じて往生を願う者を、臨終の際に極楽浄土から阿弥陀如来とともに迎えに来る25体の菩薩のことです。

 阿弥陀如来を中心に二十五菩薩が雲に乗って降りてくる有様を描いた「聖衆来迎図(しょうじゅうらいごうず)」を、一度は見られたことがあると思います。

# 菩薩名 読み方 持ち物[1]/姿 説明
1 観世音菩薩 かんぜおん〔ぼさつ〕 蓮台の器 世の人々の願いを自由自在に観じて救済
2 大勢至菩薩 だいせいし 合掌のみ 人々の無知を救う仏の智慧を象徴
3 薬王菩薩 やくおう 幢幡どうばん 薬をもって人々の身心両面の治す
4 薬上菩薩 やくじょう 玉幡ぎょくばん 諸の良薬で病に苦しむ人々を救う
5 普賢菩薩 ふげん 幡蓋(=柄のついた天蓋) 定行
6 法自在王菩薩 ほうじざいおう 華鬟けまん 文殊菩薩の別名
7 獅子吼菩薩 ししく 楽器 堂々と悟りについて説法
8 陀羅尼菩薩 だらに 袖を持って舞う 言葉の力で仏法を保持して悪法を防ぐ
9 虚空蔵菩薩 こくうぞう 台上の鼓を打つ 広大無辺の智慧と慈悲を持つ
10 徳蔵菩薩 とくぞう しょう 求めに応じて功徳大悲の宝庫を開き、一生衆生を救う
11 宝蔵菩薩 ほうぞう 願いに応じて蔵を開き、七種の珍しい宝を与える
12 金蔵菩薩 こんぞう そう 壊れることのない黄金の徳を持つ
13 金剛蔵菩薩 こんごうぞう 堅固で絶対壊れることのない智慧を持ち、無尽の功徳を与える
14 光明王菩薩 こうみょうおう 琵琶 智慧の光で救う
15 山海慧菩薩 さんかいえ 箜篌くご 深い海や高い山のような智慧と徳で衆生を導く
16 華厳王菩薩 けごんおう けい 華のように美しい悟りの境地で身を荘厳し、因果の道理を説く
17 衆宝王菩薩 しゅうほうおう にょう 七つの珍宝や王宝など、一切の珍しい宝物を自在に集める
18 月光王菩薩 がっこうおう 振鼓 月光のように清らかで汚れがなく、円満な徳を持ち、一切の衆生を導く
19 日照王菩薩 にっしょうおう 鏡台の前に立つ 智慧の光をもって衆生の明暗を照らしだして、仏道に励むよう導く
20 三昧王菩薩 さんまいおう 蓮華の入った器 心の働きを、正しい教えに照らし合わせることができる
21 定自在王菩薩 じょうじざいおう 火焔太鼓を叩く 自由自在に変現出世して、何物にもとらわれない
22 大自在王菩薩 だいじざいおう 腰の小太鼓を打つ 非凡な能力を持ち 、何事もなし得る力で衆生を救う
23 白象王菩薩 びゃくぞうおう 笛を吹く 慈悲の大きさを、象の大きな力で例える
24 大威徳王菩薩 だいいとくおう 曼珠 広大無辺の威徳を持ち、衆生を救う
25 無辺身菩薩 むへんしん 錫杖、宝珠 地蔵菩薩と同じ
[1]持ち物は『仏像図彙(ぶつぞうずい)』に図示されたものです。

参考

更新日:2023/11/18