十二大願 |
十二大願(じゅうにだいがん)とは、薬師如来が仏に成る前の菩薩の時に、衆生教化のために立てた12の誓願(=誓い)のことで、『薬師如来本願経』に説かれています。 十二上願(じゅうにじょうがん)とも言います。
薬師如来に固有の願であるため、すべての菩薩が共通に持つ総願と区別して、別願とも呼ばれます。
願数 | 願名 | 読み方 | 意味 |
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1第一願 | 光明普照 別 | こうみょうふしょう | 自らの光で三千世界を照らし、あまねく衆生を悟りに導く |
2第二願 | 随意成弁 別 | ずいいじょうべん | 仏教七宝の一つである瑠璃の光を通じて仏性を目覚めさせる |
3第三願 | 施無尽物 別 | せむじんぶつ | 仏性を持つ者たちが悟りを得るために欲する、あらゆる物品を施す |
4第四願 | 安心大乗 別 | あんしんだいじょう | 世の外道を正し、衆生を仏道へと導く |
5第五願 | 具戒清浄 別 | ぐかいしょうじょう | 戒律を破ってしまった者をも戒律を守れるよう援ける |
6第六願 | 諸根具足 別 | しょこんぐそく | 生まれつきの障碍・病気・身体的苦痛を癒やす |
7第七願 | 除病安楽 別 | じょびょうあんらく | 困窮や苦悩を除き払えるよう援ける |
8第八願 | 転女得仏 別 | てんにょとくぶつ | 成仏するために男性への転生を望む女性を援ける[1] |
9第九願 | 安心正見 別 | あんしんしょうけん | 一切の精神的苦痛や煩悩を浄化できるよう援ける |
10第十願 | 苦悩解脱 別 | くのうげだつ | 重圧に苦しむ衆生が解き放たれるべく援ける |
11第十一願 | 飲食安楽 別 | おんじきあんらく | 著しい餓えと渇きに晒された衆生の苦しみを取り除く |
12第十二願 | 美衣満足 別 | みえまんぞく | 困窮して寒さや虫刺されに悩まされる衆生に衣類を施す |
[1] | 仏教では基本的に女性が成仏することは認められていないため、女性は一旦男性に転成する必要があるという考え方です。 |
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[2] | 「除難解説」とする文献情報もありましたが、意味的に合わず誤植と判断しました。 |
更新日:2023/11/18