京都十刹

 京都十刹(きょうとじっせつ/じっさつ)とは、禅宗(臨済宗)の寺格である五山(ござん)・十刹・諸山(しょざん)のうち、五山に次ぐ十刹に位置付けられた京都の寺院です。

 至徳3年(1386)に定められた10ヶ寺ですが、現在はその半数近くが廃寺になっています。

位次 京都十刹 関東十刹
1第一位 等持寺 →廃寺、等持院に合併 禅興寺 →廃寺
2第二位 臨川寺 瑞泉寺
3第三位 真如寺 東勝寺 →廃寺
4第四位 安国寺 →廃寺 万寿寺 →廃寺
5第五位 宝幢寺/鹿王院 大慶寺
6第六位 普門寺 →廃寺 興聖寺 →廃寺
7第七位 広覚寺 →廃寺 東漸寺
8第八位 妙光寺 善福寺 →廃寺
9第九位 大徳寺 法泉寺 →廃寺
10第十位 龍翔寺 長楽寺 →天台宗改宗

 十刹制度は鎌倉時代末期に成立したとされていますが、詳しいことはわかっていません。

 暦応4年(1341)、室町幕府によって「天下十刹」が定められ、関東の4ヶ寺・京都の3ヶ寺・諸国の3ヶ寺が十刹に列せられたものの、その後も寺院の構成や順位の変動はありました。

位次 暦応4年(1341)の天下十刹
1第一位 浄妙寺(相模) →五山昇格
2第二位 禅興寺(相模) →廃寺
3第三位 聖福寺(筑前)
4第四位 万寿寺(山城) →五山昇格
5第五位 東勝寺(相模) →廃寺
6第六位 万寿寺(相模) →廃寺
7第七位 長楽寺(上野) →天台宗改宗
8第八位 真如寺(山城)
9第九位 北禅寺/安国寺(山城) →廃寺
10第十位 万寿寺(豊後)

 至徳3年(1386)、五山制度の改革と同時に十刹制度の改革も行われ、「京都十刹」と「関東十刹(鎌倉十刹)」に分けてそれぞれ10ヶ寺が定められました。

 「天下十刹」に入っていた京都と関東以外の寺院は、結果的にその資格を取り上げられたためこれに強く反発。 後に枠外として多くの寺院が十刹に追加され、その結果、明応元年(1490)には46ヶ寺、16世紀末には60ヶ寺余りまで増加しました。

更新日:2020/06/19