時宗十二派

時宗十二派(じしゅうじゅうには)とは、時宗として総括される12の派のことです。

時宗は一般に一遍智真を開祖としますが、その他にも諸国をめぐって念仏を勧める念仏勧進聖である「時衆」が多数存在しました。 江戸幕府は本末制度の徹底を図るため、系譜の異なる念仏勧進聖を清浄光寺を総本山とする単一宗派「時宗」の管轄下に強制的に編成。 これら念仏勧進聖系の各派を「時宗十二派」と称しました。

しかしすべてが多くの末寺をかかえて一派を形成したわけではなく、他宗に転属する派もあり、昭和22年(1947)3月には本末制度を解体して各派の名称はなくなりました。 そして昭和27年(1952)、全寺院が宗教法人「時宗」に包括されることになりました。

派名 読み方 旧本寺 変遷
1遊行派 ゆぎょうは 清浄光寺/藤沢道場
2当麻派 たいまは 無量光寺/当麻道場 明治36年(1903)、遊行派に合流
3四条派 しじょうは 金蓮寺/四条道場
4一向派 いっこうは 蓮華寺 昭和18年(1943)、浄土宗に転属
5天童派 てんどうは 佛向寺 昭和18年(1943)、浄土宗に転属
6国阿派 こくあは 雙林寺 のち 正法寺
7霊山派 りょうぜんは 正法寺 明治初年、国阿派に統一
8奥谷派
(伊予派)
おくたには 宝厳寺/奥谷道場 室町時代初期、遊行派に合流
9六条派 ろくじょうは 歓喜光寺/六条道場
10市屋派 いちやは 金光寺/市屋道場 明治時代、遊行派に合流
11御影堂派 みえどうは 新善光寺
12解意派 げいは 新善光寺 明治時代、遊行派に合流

更新日:2020/10/07