洛陽十二社 洛陽十二社霊験記 文政10年(1827)
洛陽十二社霊験記 現在
神泉苑竜王宮 御池通堀川西
神泉院町
本社善女龍王 一躰 神泉苑 善女竜王社
北野大將軍 北野間川の
東大將軍村に在
大將軍 一座 大将軍八神社
千本通閻魔堂 本堂 閻魔大王 座像 引接寺(千本ゑんま堂)
大宮森神社 紫野大德寺
の北に在
氏神社 大宮明神 久我神社[1]
上賀茂片岡社 本社の樓門の外
川の東南に在
上賀茂摂社 片岡社 片岡社
美曾呂池地藏 みそろ池村の
人家の間にあり
地藏堂 地藏尊 立像石仏 一體 「地蔵堂[2]」廃絶 /深泥池地蔵は上善寺
※ 明治初年の神仏分離
下賀茂河合社 小神宅[2]神社 川合明神 河合神社
同所柊宮 樓門の内の左に
東向に在社なり
比良木明神 比良木社
祇園藥師堂夜叉神 本社の
西に有
藥師堂中 夜叉明王 「観慶寺[4]」廃寺 /夜叉神明王は大蓮寺
※ 明治初年の神仏分離
同社内攝社美御前 本社の
東に在
美御前 三坐 八坂神社末社 美御前社(うつくしごぜんしゃ)
清水大日堂 三年坂の上経
書堂の東に在
大日堂 大日如来 真福寺(大日堂)
東寺八嶋社 南門の内の東手
に在て西面の社なり
八嶋明神 東寺内 八嶋社
[1]拾遺都名所図会(巻之三)」の中に以下の記述があります。 「大宮 紫野北にあり 祭る所神秘なり 加茂に属す 大宮森 同所神木をいふ」
[2]地蔵堂は上賀茂神社の社地にあり、明治時代の神仏分離令で廃されましたが、明治28年(1895)に旧地(北区上賀茂深泥池町)に深泥池地蔵堂が再興され、二代目地蔵尊が奉納されています。
[3]参照している写本には「小神宅」と書かれていますが、これは「小社宅」の誤記です。
[4]観慶寺(かんぎょうじ)は別名を祇園寺と言い、その寺域内にあった天神堂がのちの祇園社(八坂神社)となりました。 「花洛名勝図会(東山之部一 )」の祇園社の項に以下の記述があります。 「観慶寺 本殿の西にあり 薬師堂といふ」

更新日:2019/10/20