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丹後舊語集 |
現在 |
| 1 |
補陀洛山觀音寺 |
補陀洛の山を南に思しに西へむくふの都ありけり |
観音寺
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| 2 |
觀德山本源寺 |
ありがたやあゆみをなして岸かけの寺より見へし山のはの月 |
本源寺
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| 3 |
安德山極樂寺 |
遠からぬ今目の前の極樂寺花のうてなにやすく登らん |
極楽寺[1]
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| 4 |
靑葉山松尾寺 |
記て見れば靑葉の山はいつも只そのあかつきを松風の音 |
松尾寺
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| 5 |
鹿原山慈恩寺 |
奥ふかき瓦の山の木の間より流る瀧津の水はたへせず |
金剛院（慈恩寺）
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| 6 |
笠松山泉源寺 |
頼もしや御寺に法の聲絶えず幾千代迄も若松の寺 |
智性院？[2]
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| 7 |
瑞雲山龍勝寺 |
あかつきに水汲む雲の山の寺五ツのにごりすましこそすれ |
龍勝寺
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| 8 |
天龍山東山寺 |
よこ雲のひく間に望東山寺夜の迷の夢さめにけり |
東山寺
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| 9 |
水淸山仁壽寺 |
萬世の境の谷の山かげに佛法僧の鳥やなくらん |
仁寿寺
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| 10 |
紫雲山萬願寺 |
雲通ふ嵐の風にふきかくす入日もおしき村さきのやま |
満願寺[3]
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| 11 |
長久山久岩寺 |
名にし負ふ長久山の瀧の水汲みけん人や老を養ふ |
「久岸寺[4]」廃寺？
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| 12 |
金峯山菩提寺 |
み吉野の外に一ツの金峯山雪ちる春を花かとぞ思ふ |
菩提寺
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| 13 |
惠日山光明寺 |
明らかに雲の光りは紅に夕日を中に山川のみず |
光明寺[5]
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| 14 |
昌林山永福寺 |
うするなる城や里に移り來て寺にふだの香やおくらん |
永福寺
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| 15 |
慶德山長橋寺 |
おこたりもなかき經をよむ此寺に猶つき果てぬ此暁のかね |
長橋寺[6]
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| 16 |
圓通山普門寺 |
やつちくの中にたへなる普門寺讀呪の聲を聞ぞ嬉しき |
普門寺
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| 17 |
室尾谷山無量寺 |
はかりなき御寺の鐘の聲聞けば心は鬼の城やほろびん |
無量寺[7]
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| 18 |
岸谷山長泉寺 |
久かたの雲の光のかげ淸き泉に月はすみよかるらん |
長泉寺
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| 19 |
神社山智源寺 |
かけまくもかしこき神のよの山に麓のちりもまじわりやせん |
★調査中
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| 20 |
日補山觀音寺 |
有かたや大慈大悲の此山におなじうかひの天照す神 |
皇大神社 「観音堂」廃絶？
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| 21 |
惠光山般若寺 |
心なきふすいの床に夢さめて谷に般若の聲や聞くらん |
般若寺
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| 22 |
雪間山慈眼堂 |
露のまに山にのどけきかのうけの大慈大悲の光りとや見ん |
★調査中
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| 23 |
惠録山宏玄寺 |
春の日の惠録山に輝きて御寺の庭に花や咲くらん |
宏玄寺[8]
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| 24 |
瑞雲山法隆寺 |
雲にのり御寺の庭に歩み來てつきよのつみといづくなるらん |
法隆寺
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| 25 |
神護山佛心寺 |
あけくれは後の世の事うとからぬ人の佛の心なるらん |
仏心寺
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| 26 |
由良港弘誓堂 |
ぬれて行くせの舟のみなれさを長き此地にゆかてつきなん |
★調査中[9]
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| 27 |
高麗山大明寺 |
岩穴のおくにしゆら屋のやみもなく大慈大悲の光りこそすれ |
大明寺
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| 28 |
瀧谷山松林寺 |
深緑松の林に咲く梅のいつもどくじゅの聲かとぞ聞く |
松林寺
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| 29 |
海岸山玉泉寺 |
かけ淸き玉の泉の寺なれば心の月の涼しかりけり |
玉泉寺
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| 30 |
慈惠山圓隆寺 |
有明の月の光りの圓隆寺あたごにかゝる村雲もなし |
円隆寺
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| 31 |
天香山桂林寺 |
見上れば天香山の御寺より輝く春の日かげのどけき |
桂林寺
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| 32 |
陽光山浄土寺 |
あつからず寒き事なし淨土寺ねがふ心は後の世の為 |
浄土寺[10]
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| 33 |
不明 |
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| [1] | 山号は異なりますが、前後の札所の位置関係から舞鶴市栃尾の極楽寺と推測しています。 |
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| [2] | 智性院は真言宗古刹の泉源寺と同じ山号を持ち、その流れを汲むのではないかと言われています。 |
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| [3] | 寺名は「満」願寺ですが、地名は「万」願寺と書き、京野菜で有名な万願寺とうがらしの発祥の地です。 |
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| [4] | 「加佐郡誌(1925)」P115❐に「和泉山 久岸寺 同（＝曹洞宗） 寛永七年創立 同（＝池内村、現・舞鶴市寺田）」の記述があります。
山号は異なりますが、以下の理由から推定しました。
(1) 他の古文書では「久岩寺」の表示もある、
(2) 養老山の西山麓という位置と和泉山の山号がご詠歌の内容に相応しい、
(3) 前後の札所の位置関係とも無理がない。 |
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| [5] | １４番永福寺と順路が逆転していますが、山号・寺号が一致しているため間違いないと考えています。 |
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| [6] | 山号は異なりますが、前後の札所の位置関係から福知山市大江町の長橋寺と推測しています。 |
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| [7] | 順礼歌にある「鬼の城」は、茨木童子の伝説をもつ福知山市の鬼ヶ城（おにがじょう）を意味し、無量寺はその西方に位置しています。 |
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| [8] | 山号は異なりますが、前後の札所の位置関係から舞鶴市志高の宏玄寺と推測しています。 |
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| [9] | 丹後の地名HPの情報❐によれば、「丹後国加佐郡寺社町在旧起」に由良村の脇村（現在の宮津市由良の脇集落）に観音堂があったことが記されていますが、「由良港」の意味（普通名詞の港？固有名詞の港集落？）と「弘誓堂」の関係が不明です。 |
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| [10] | 山号は異なりますが、前後の札所の位置関係から舞鶴市新の浄土寺と推測しています。 |
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