祇園祭
山鉾巡行 前祭
と くさ やま
木賊山
ご利益迷子除け
分 類舁山(かきやま)
所 在下京区仏光寺通西洞院西入ル木賊山町
URL
備 考

 謡曲「木賊とくさ」に由来する山。 我が子を人にさらわれて、一人信濃国しなののくに伏屋ふせやの里で木賊を刈る翁をあらわしている。

 能の舞台では、木賊を刈る翁に声をかけた僧が、翁の家に招かれ、酒杯を重ねている内に翁は我が子を思い出して泣き始め、そして踊り狂うという展開で、最後は僧が伴っていた少年が実は翁の子であり、親子が対面するという結末である。

 御神体(人形)は腰にみのをつけ、左手に木賊、右手に鎌を持つ。 木彫彩色の頭は仏師春日かすがの作といわれ、足台には「元禄五年(一六九二)六月吉日」の墨書銘がある。 水引みずひき日輪鳳凰文様にちりんほうおうもんよう綴錦つづれにしき及び道釈どうしゃく人物刺繍ししゅう前懸まえかけは唐人交易図刺繍、左右の胴懸どうかけは平成十一〜十三年に復元新調した中国故事人物図の綴織つづれおり見送みおくり牡丹ぼたん双鳳文様そうほうもんよう綴錦である。 欄縁らんぶち金具は緻密ちみつな雲龍文様で、角金具すみかなぐ唐団扇とううちわ、木賊と銀兎文様のものが用いられている。 旧見送として仙人聞香図せんにんぶんこうずの綴錦があり、旧水引には中東幾何学模様イギリス織絨毯じゅうたん、他に緑地草花文様の後懸うしろかけなどが保存されている。

出所:『木賊山』京都市駒札

更新日:2017/09/20