山城國六道地藏尊六所御詠歌 日本歌謠集成 巻四
昭和3年(1928)

御詠歌:

日本歌謡集成 現在
第一番 六地藏 伏見城山東 大善寺/伏見六地蔵
浮き沈み。六道を巡る。六地藏
 大悲の袖の。乾く暇なし。
第二番 鳥羽 上鳥羽村 浄禅寺/鳥羽地藏
雨風も。厭はで渡す。鳥羽の堂
 御法の船の。楫にまかせて。
第三番 下桂村 地蔵寺/桂地藏
信心は。月の桂の。地藏尊
 六つの衢の。闇路照らしぬ。
第四番 常盤 太秦常盤村 源光寺/常盤地藏
常盤なる。松の願の。色見えて
 梢の月を。拜むうれしさ。
第五番 鞍馬口 寺町頭 上善寺/鞍馬口地藏
宿替へて[1]。御菩薩もいまは。鞍馬口
 入りくる人を。導きにけり。
第六番 山科 大津街道 徳林庵/山科地藏
巡りくる。人も願の。數あれば
 慈悲も積るや。山科の堂。
[1]元は御菩薩池(深泥池)の傍の地蔵堂に祀られていましたが、明治時代の神仏分離令の際に上善寺へ移されました。 この移転のことを指していると思われます。
現在、旧地(北区上賀茂深泥池町)には深泥池地蔵堂が再興され、二代目地蔵尊が奉納されています。

更新日:2024/05/17