勅祭社 |
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賀茂川の上流にあるのが賀茂別雷神社、通称・上賀茂神社。 下流にあるのが賀茂御祖神社、通称・下鴨神社だ。 両社は「賀茂社」、あるいは「賀茂神社」と総称される。
下鴨神社の東殿にまつられている賀茂建角身命は、神武東征の際、神武天皇を熊野(和歌山県南部、三重県南西部)から大和(奈良県)へ先導したことで知られ、その功績から〝八咫烏〟と呼ばれた神。 また、西殿にまつられる玉依媛命はその娘だ。
平安時代に著された氏族の出自をまとめた書物『新撰姓氏録』によれば、賀茂建角身命は賀茂氏の始祖。 つまり、賀茂神社は一族の始祖をまつる賀茂氏の氏神だった。
賀茂氏は日本に土木や農耕などさまざまな技術をもたらし、たたら製鉄による銅鐸づくりを広めたという説もある。 そのためか、朝廷の祭祀に関わっていた。 平安遷都の際には桓武天皇も参拝し、807(大同2)年には伊勢神宮に次ぐ地位になって、正一位が与えられた。
下鴨神社は「糺の森」という森に抱かれるように建っている。 森の広さは約3万6000坪。 たびたび祭祀が行なわれていたことも判明している。
出所:『日本の神社100選』から抜粋
更新日:2020/05/05