真言宗十八本山 第十八番 |
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高野山真言宗 総本山 本尊 |
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弘仁7年7月2日、嵯峨天皇より高野山域を賜わり、ここに真言密教の根本道場として高野山大伽藍の建立が始まる。 もともと金剛峯寺というのは、大師が「この勝地について聊(いささ)か伽藍を建てて金剛峯寺と名づく」と申されているように、伽藍を中心とした高野山全体を総称する名前であったが、明治2年にいたり、秀吉の建立にかかる青巌寺に、隣接の興山寺を合併して金剛峯寺と称し一寺院名のようになったが、矢張り高野山そのものを指すものといってよい。 現在金剛峯寺は高野山真言宗の総本山として、全国3600に及ぶ寺院・教会を末寺として包括し、宗政並びに教化伝道の本拠となっている。
大小幾十万の墓石が物語るように、金剛峯寺の一円境内である高野山は、古来此の世の浄土であり、天下の総菩提所として凡(あら)ゆる宗教・宗派を超越して尊崇せられてきた。 それは山容が八葉の蓮華をなし、遠く俗塵を絶した密教相応の勝地であることと、大師がこの地に御入定遊ばされ、今に至る迄、すべての人々を等しく護念し救済せられている聖地であるからである。 従って奥之院の御廟は本宗の生命であり、まさに信仰の源泉となっている。 更に伽藍には根本大塔を中心として金堂・御影堂・西塔・明神社等々数々の堂宇が立ち並び、偉容を誇り壮麗の美を競っている。 山内には117ヶ寺の塔頭寺院があり、内52ヶ寺が宿坊寺院である。 山上は又文化財の宝庫でもある。 仏像・仏画・書画・法具等数千点を数え、これらは霊宝館に収蔵せられている。
出所:『十八本山巡拝案内記』から抜粋
更新日:2020/01/18