二十二社 上七社 |
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【世界遺産】 |
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あちこちで愛らしい鹿の姿を見かける奈良・若草山に連なる春日山。 この山一帯を神域とし、全国に3000社余りある春日信仰の総本社としての地位にあるのが春日大社だ。
創建は8世紀頃。 社伝によれば、平城京が成立した頃に、常陸国(茨城県)にある鹿島から武甕槌命が白鹿の背に乗って御蓋山(春日山)に降臨したことを起源とする。 その後768年に称徳天皇の命により現在の地に社殿を造営。 その際、下総国(千葉県)の香取から経津主命、河内国(東大阪市)の枚岡から天児屋根命と比売神を迎え、現在のようすが形づくられた。
天児屋根命と比売神は中臣氏の祖神。 藤原氏はその子孫の一つだ。 春日大社の隣に建っている興福寺は、710年藤原不比等によって山城国(京都府)から現在の場所へ遷されたのを始まりとする藤原氏の氏寺。 平安時代に入って藤原氏が皇室の外戚となると、その勢いは隆盛の一途をたどる。 当時は神仏習合思想が広まっており、法相教学寺院とみずからを名乗っていた興福寺は「春日大明神は法相擁護の神である」と唱え、947年に春日大社の社頭での読経を開始。 徐々に両者は一体となり、江戸時代末期まで神仏混交の状態で信仰された。
出所:『日本の神社100選』から抜粋
更新日:2019/04/30