二十二社 中七社 |
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「三諸の神奈備」、「三諸山」ともたたえられた三輪山そのものを御神体とし、参拝者は拝殿から、禁足地との区切りを示す「三ツ鳥居」を通して、山そのものを拝む。 「三輪鳥居」とも呼ばれる三ツ鳥居とは、鳥居を三つ合わせた形をしている。 昔は大神神社には鳥居しかなく、さらに昔には鳥居も存在しなかった。 社殿を設けずに御神体そのものに対して祈りを捧げるという、日本原初の神道の祭祀を今に伝える貴重な場所だ。
山は今でも神域で、登拝には申請が必要。 撮影禁止などの厳格なルールも設けられている。
祭神・大物主大神の名は『古事記』にも見られ、国づくりの神・大国主神が国づくりに悩んだ際に降臨し、成就させるために「吾をば倭の青垣、東の山の上にいきまつれ」(三輪山にまつるように)との神託を下したとされる。 同様の伝承は『日本書紀』にも見られ、大物主大神は大国主神の「幸魂・奇魂」であると名乗ったという。 つまり、大物主大神は大国主神の別の姿として顕れ、三輪山に座した、ということだ。 また大物主大神は、水の神、あるいは雷の神としての霊能をもつ蛇としても信仰されており、境内の拝殿手前に立っている大杉は「巳の神杉」と呼ばれ、蛇神が棲んでいるとも伝えられている。
出所:『日本の神社100選』から抜粋
更新日:2019/04/30