近畿三十六不動尊 第三十六番 |
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高野山真言宗 別格本山 本尊 浪切不動明王 |
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全国各地に“浪切不動尊”がお祀りされているが、その総本家とも云うのがこの南院の浪切不動尊である。
真言宗の宗祖弘法大師が、仏教の奥義を極めるため入唐、都長安の西明寺に滞在、青竜寺の高僧恵果和尚より真言密教を伝授されたが、寺伝によると、その時尊師恵果和尚より賜った赤栴檀の霊木をもって、一代の守本尊として、心を込めて刻まれた不動尊像が、いま南院にお祀りされている本尊の浪切不動尊である。
その頃は、航海の技術も発達しておらず、唐への往復は文字通り命がけであり、事実、難破した船は多くあった。 大師御帰朝の航海も甚だけわしく、玄界灘の荒波のため、船は常に沈没の危険にさらされながら、進路を迷わされ続けた。 しかし、大師が一心にお祈りになったため、不動明王が海上に現われ、火熖を放ち利剣を振って魔風を静め、荒波を切り開いて、船を安全に導かれ無事博多の港に着かれたのである。 このことがあったので、このお不動様を浪切不動尊とお呼びすることになった。
出所:『近畿三十六不動尊』から抜粋
高野山ケーブル高野山駅からバスで波切不動前下車。 |
≪本堂≫
南院本堂の天井に描かれている「波切龍」は、お不動さまの使者八大龍王で、手を拍つと除災・招福の守護として応えてくれるそうです。 |
更新日:2018/11/02