近畿三十六不動尊 第三十五番 |
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高野山真言宗 別格本山 本尊 赤不動明王 |
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“赤不動”有名な赤不動尊をお祀りしているのがここ明王院である。
この寺は、弘仁七年(816)弘法大師が、高野山をお開きになり、七堂伽藍を建立されるに際し、鬼門に仏法の興隆と伽藍の安泰を念じて建てられたのがはじまりである。 大師は自ら彫刻した五大明王をこの寺に安置し、五大堂明王院と名付けられた。 従って、高野山における最も古い寺院で、別格本山として、山内名刹の一つに数えられている。 寛永七年(1630)には残念ながら、火災のため本堂が焼失、昭和二十七年、[1]にも本堂が全焼した。 今の本堂は耐火耐震耐風のもので、昭和四十六年に完成したのである。
御本尊の赤不動明王画像は、弘法大師の甥にあたる、平安朝の高僧円珍和尚(智證大師)の筆になるものと伝えられ、重要文化財に指定されている。 これは、円珍和尚が比叡山横川の滝で修行されている時に、感得された不動明王のお姿を、自らの頭血と岩えのぐで描かれたと伝えられている。 また、当院には愛染明王の木像、画像等があり、弘法大師御自作と伝えられる大黒天木像には、その背面に「弘仁二年二月、空海」と記されている。 高村光雲は、この尊像を拝し感銘を受けて、その御厨子を寄進している。
出所:『近畿三十六不動尊』から抜粋
高野山ケーブル高野山駅からバスで金剛峰寺前、または大塔口前下車。 |
境内にはコウヤマキなど様々な木が植えられています。 |
[1] | 変な読点ですが、原文のまま表記します。 |
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更新日:2018/11/02