吉祥院天滿宮詳細錄 第十章 p378 - 385
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◎吉祥院天滿宮一千年祭に關して

(一)吉祥院天滿宮一千年寄附募集趣意書
謹んで惟に吉祥院天滿宮の祭神贈正一位大政大臣菅原は忠良無二の名賢にして經國の才に富み、 主の知を得て大政を賛し一身を捧げて國家經營の任に當り其德は四海に普く萬民其風を望むの時に際し不幸にして讒者の一言に恨を呑んて身を西海の天に沒するの不に際會せしと雖其精忠の靈と威德の光とは人爲の能く之を滅すること能はざるなり、 年間、 朝廷詔しての神靈を奉祀せし以來上下の敬仰愈深く偏陬僻陋の地も亦た其祠あらさるなく三尺の童子も其德を欽慕せざるものなし。 來る明治三十五年の薨去せられし延喜三年より第一千年に相當するを以て當社に於ても其祭典を執行せんとするにより吾等希くば此儀を盛大ならしめんが爲め茲に神殿を修繕しんで此神苑を擴張して記念となし以て益々の偉德を宣掦[1]し神靈を奉慰せんと欲す、 然るに此事業は多大の經費を要し大方諸君の協賛を得るに非ざれば此微志を行すること難し仰ぎ願くば四方の諸君此擧を賛助し奮つて其資を助け此業を完成せしめられんことを葢し吾等の大に感謝を表するなるのみならず又正に神靈の喜んで享受し給ふなるべし。

明治三十四年 吉祥院天滿宮氏子中
(社掌)石原市之、(世話方幹事)安田益太郞、(同)石原磯次郞、(同)岡崎淸右衞門、(同會計係)檜垣與三郞、(世話方)檜垣德次郞、北村豊治郞、石原彌三郞、深見丑之助、東吉兵衛、加伊右衛門、山下安之助、藪田岩吉、以上。

○事務多端の爲め世話方を增加す。
石原源三郞、石原長太郞、石原松、石原彥次郞、石割新七、奧田作兵衛、神田宇兵衛、神田定吉、藪田九一郞、藪田竹治郞、藪田長次郞、山下民三郞、山下貞次郞、山崎常次郞、山口龜次郞、田善次郞、塜松之助、岩根重左衛門、以上。

(二)吉祥院天滿宮一千年祭寄附金品者芳名
一、金貳千疋也 唐橋家
一、金壹千疋也 東坊城家
一、金五百疋也宛 高辻家、桑原家、勸修寺家
一、金四百疋也 淸岡家
一、石燈籠貳基 中塜宇之助同妻ヤナ
一、石燃[2]籠壹基 高橋源兵衛同源之助上鳥羽村
一、石燈籠貳基 檜垣與左衛門同親族中
一、石牛壹基 檜垣源兵衛同源三郞外拾四名
一、辨財天社石燈籠壹基 東條町若中
一、辨財天社石燈籠壹基 北村豊治郞
一、吉祥院天滿宮石標壹基 檜垣重助大阪市
一、槻樹五拾株 長瀨尙三(駐在所巡査)
一、櫻樹五拾株 大久保治郞吉深草村
一、槻樹拾株 柏木卯之助大阪市
一、薄紅梅樹壹株 中塜安次郞野里町
一、楓樹壹株 山田淸右衛門
一、風致木參拾株 山口榮次郞松尾村
一、紅梅樹壹株 靑木龜次郞深草村
一、風致草花五株 橋本順行梅津
一、薄茶六十目 小澤辰之助京都市

(三)北條町西條町東條町の寄附金之部
◎西條町 合計金九六一七四(六二戶

內譯
一一五〇〇宛 石原磯次郞、藪田九一郞
 八〇・〇〇塜 仙吉
 七三・〇〇深見丑之助
 五〇・〇〇石原長太郞
 四〇〇〇石原源三郞
 三六・一〇深見龜次郞
 三六・〇〇山下安之助
 三五・〇〇東 吉兵衛
 三四五〇松山新太郞、藪田竹次郞
 二九・五〇石原宗次郞
 二四・五〇石原彥次郞
 二一・〇六石原市之
 一四・五八藪田豊次郞
 一〇・七二東 甚之助
  九・八〇山田 寅吉
  九・七〇塜龜次郞、杉山定次郞
  八・二〇塜鹿次郞、塜辰之助
  八・一〇石原松、山田淸右衛門、塜常次郞、福田次郞
  六・五〇[3]深見梅次郞、東多三郞
  五・〇〇石原熊次郞
  四・九〇塜治三郞
  四・八〇東 榮次郞
  四〇五村岡松之助
  三・三〇木村喜三郞
  三・二四石原宇之助、小坂定吉、山口萬次郞、福田傳吉、鳥井松之助、福田虎吉、石原伊之助
  三・二〇田常次郞、次郞、山下岩松、石原彌三兵衛
  三・〇〇塜松之助
  二・六〇檜垣與三郞(政
  二・四〇井 磯吉
  二・二〇深見友次郞
  二・三〇中塜 幸吉
  二・一〇塜岩次郞
  二・〇〇中塚岩吉、增木岩次郞、小磯文濤、能勢丑之助
  一・九〇野崎萬次郞、笹川太一郞、川井忠次郞、村上市之助
  一・八〇長谷川巳之助
  一・〇〇石原淸次郞
  〇・九〇塚 スエ
  〇・八〇山崎次郞
以上

◎東條町 合計金八七五〇〇(四三戶

內譯
五七〇〇〇東條町中
 三〇・〇〇宛 安田益太郞、檜垣與三郞、檜垣德次郞、北村豊治郞
 一八・〇〇山口龜次郞
 一五・〇〇奧田作兵衛、岩根幸次郞
 一三・〇〇安田元次郞
 一二・〇〇石割薪七、山崎常次郞
 一〇・〇〇安田助之亟、山下茂兵衛
  七・〇〇奧田伍兵衛
  五・〇〇塜松之助、松尾直次郞、山下太三郞
  三・〇〇山崎彌三郞、塜熊次郞、岡村小三郞、塚本梅次郞、山下佐吉 北村治右衛門、山下芳松、安田德次郞、神田喜三郞
  二・五〇神田常次郞、恩田治兵衛
  二・〇〇山崎仁三郞、靑柳秀次郞、靑柳新助、山崎德次郞、神田庄次郞、梁瀨治輔、長谷川與三吉、山下茂吉、山下仙之助
  一・五〇山崎安之助、山崎多吉
  一・〇〇北村伊三郞、奧田松、山崎次郞、山下萬次郞、山下豊次郞
以上

◎北條町 合計金一、〇〇〇四〇(六一戶

內譯
 八六〇〇山下安之助
 六〇・〇〇山下德次郞
 五五・〇〇山下民次郞
 五一・五〇山下富之助
 五〇・〇〇伊右衛門
 四三・〇〇宛 神田定吉、山下貞次郞、藪田長次郞
 四二・〇〇岡崎淸右衛門
 四〇・〇〇藪田 岩吉
 三四・〇〇勘兵衛、田善次郞、神田宇一郞、山下龜次郞、山下三郞、岡崎豊
 二六・四〇神田宇之助
 二四・〇〇藪田菊次郞
 二〇・〇〇岡崎 良隆
 一五・〇〇中塜 榮吉
 一四・〇〇神田宇右衛門
 一三・二〇中塜宇之助
 一三・〇〇田庄次郞
 一一・五〇岡崎德次郞
 一一・二〇中路德次郞
 一〇・〇〇田齋次郞
  九・〇〇松山粂次郞
  八・五〇松山久次郞
  八・〇〇河井宇之助、柳本榮次郞
  七・五〇山下淺次郞
  六・〇〇小林次郞
  五・〇〇樋口仙吉、河井善之助、藪田磯次郞
  三・五〇[4]塚源治郞
  三・四〇[4]中塜 寅吉
  三・三〇中塜植松、宮原次之助、小谷仙之助
  三・二〇神田種次郞
  三・〇〇山下彌太郞、田村久次郞、田與三郞、山下熊次郞、廣嶋金次郞、神田龜次郞
  二・七〇田淺次郞、高橋政吉
  二・二〇藪田吉之助、田喜三郞
  二・〇〇田テル、芝丑之助
  一・七〇宮原うの、山下菊次郞、山口岩吉、米澤勝平
  一・〇〇中塚クラ、石割宇之助、山下宗次郞、田キヌ
以上

◎東、西、北條町若中として金五〇〇〇也

[1]「揚」の誤記のように思われますが、原文通り「掦」と表記します。
[2]「燈」の誤記のように思われますが、原文通り「燃」と表記します。
[3]「宛」が抜けているようですが、原文のまま。
[4]「宛」が不要に思われますが、原文のまま。

更新日:2021/02/13