吉祥院天滿宮一千二十五年祭に關して
(一)昭和三年一月廿二日氏子總代、世話方全部集合協議會を開く。
協議事項
◎御大典勁業幷吉祥院天滿宮千廿五年祭に關して
一、本年より新入學兒童に修身敎科書授與。
二、吉祥院村全家へ天滿宮神札を壹體金拾錢を以て配與。
三、村費中より金壹百圓宛年々補助を願ふ。
四、社格を府社に昇格の件幷基本財產積立。
五、吉祥院天滿宮略緣起を本村全家へ授與。
六、吉祥院天滿宮詳細錄編纂に着手し三ケ年後に竣成すること。
七、右詳細錄を特別の方及び實費にて授與。
八、壹千廿五年祭に關し經費約壹千圓とし氏子全部幷關係者に授[1]助を乞ふこと。
九、本村全部吉祥院天滿宮を中心として全力を盡すこと。
以上を協議し又本月中に各町にて下相談を爲し二月一日午後早々各町七名宛集會協議とす。
(三)[1]同二月一日村長始め參拾名集會協議の結果前廻の協議事項全部承認す。
但し壹千廿五年祭に付きては、かゝる小規模にては不可とし會則を制定す。
◎吉祥院天滿宮一千廿五年祭典會々則
第一條 本會は吉祥院天滿宮一千二十五年祭典會と稱し事務所を社掌宅に置く。
第二條 本會は左の事業を行ふを以て目的とす。
一、祭典執行(昭和三年四月二十四、二十五、二十六の三日間)
二、敬神思想の普及
第三條 前條の目的を達する爲左の役員を置く。
會長壹名 副會長壹名 評議員拾貳名 世話係若干名
第四條 會長は村長之に當り會務を總理す、副會長は社掌とし會長を補佐す。
評議員、世話係は氏子中より各町に於て選出す。
第五條 評議員、世話係は左の各係を分掌するものとす。
祭典係、修繕係、應接係、庶務係、奉納係、會計係
第六條 本會の經費は寄附金を以て之に充つ。
第七條 本會に特別會員幷賛助會員を設け特別會員は會長之を囑託し賛助會員は本會に翼賛されたる人を推す。
第八條 特別會員、賛助會員幷氏子には吉祥院天滿宮詳細錄幷紀念品を贈呈すること。
第九條 本會は祭典終了を以て解散するものとす。
(三)吉祥院天滿宮一千二十五年祭寄附募集趣意書(一般の部)
謹んで惟に祭神贈正一位太政大臣菅原
道眞
公は文武兩
道に
通じ忠良無二の名賢にして經國の才に富み
聖主の知
遇を得て太政を
翼賛し一身に捧げて國家經營の任に當り其德は四海に普く萬民其風を望むの時に際し不幸にして讒者の一言に恨を呑んで身を西海の天に沒するの不
運に際會せしと雖其精忠の靈と威德の光とは人爲の能く之を滅すること能はざる
所なり。
承平四年朝庭詔して
公の神靈を初めて此
所に奉祀されし以來上下の敬仰愈深く偏陬僻陋の地も亦其祠あらざるなく、
三歲の童子も其德を欽慕せざるものなし、
時に
昭和二年は
公の薨去より第一千二十五
[2]に相當するを以て當社に於ても其祭典を執行せんと圖りしも御諒闇中の事とて一年延期して
本年四月を以て
公の偉德を宣掦
[4]し神靈を奉慰せんと欲す、
然れども此事業たるや大方諸君の協賛を得るに非ざれば此微志を
遂行すること難し、
願はくは奮つて此擧に御
援助あれば吾等の大に感謝する
所なるのみならず又正に神靈の喜んで享受し給ふ
所なるべし。
願くば奮つて此擧に御賛同應
分の寄附を賜らんこと偏に御願ひ申上ぐる次第なり、
近日中氏子の者御伺ひ申上げ親しく御願ひ申すべきに付何卒御後
援の程切に御願ひ申上候。
會長 | 平塜繁治郞 | 副會長 | 石原 定正 | 評議員 | 深見德次郞 | 同 | 北村豊治郞 |
評議員 | 神田久一郞 | 同 | 平塜 久吉 | 同 | 安田英之助 | 同 | 檜垣與一郞 |
同 | 岡崎淸右衛門 | 同 | 和田 淸吉 | 同 | 石原 藤松 | 同 | 藤田善治郞 |
同 | 伊藤 小助 | 世話係 | 山崎七之助 | 同 | 高橋 政吉 | 同 | 山下藤三郞 |
世話係 | 藪田安之助 | 同 | 安田信之助 | 同 | 井上 梅吉 | 同 | 藪田長三郞 |
同 | 山田 音吉 | 同 | 檜垣源兵衛 | 同 | 長岡益太郞 | 同 | 增田幸次郞 |
同 | 山下吉之助 | 同 | 東 吉之助 | 同 | 木村卯之吉 | 同 | 平塜松之助 |
同 | 長谷川巳之助 | 同 | 河井忠次郞 | 同 | 山中伊三郞 | 同 | 奈良 哲郞 |
同 | 藤岡 榮造 | 同 | 增田磯次郞 | 以上 | | | |
(四)同前(特別會員の部)
謹んで惟に祭神云々又正に神靈の享受し給ふ
所なるべし。
右の趣旨に依り本會を組織し別紙會則第七條に依り貴臺を本會特別會員に推薦し御後
援を賜り度く甚乍
勝手右御諒承被成下度切に御依賴申上候 敬白
昭和三年二月 日
村社吉祥院天滿宮一千二十五年祭會々長 平塜繁治郞
(五)同前(菅家後裔の部)
謹啓
春
暖の候益々御淸榮奉賀候
陳ば突然ながら來る四月二十四、五、六の三日間本社吉祥院天滿宮一千二十五年祭を執行致し合せて萬燈會も奉仕仕度且つ現今指定村社なるも御大典記念として府社に昇格致し御神慮にも相叶ひ申奉り度村長はじめ氏子中擧つて本殿末社及吉祥天女堂の大修繕幷に境內擴張神苑參
道の修理等着々其の步を
進め準備罷在候へ共何を申すも經費多額を要し氏子以外の崇敬者にも別紙の
通り略緣起を附し寄附募り居候次第就而は菅家の御裔なる御方々の御力添へ特に𫎇り度何
分とも宜敷御願ひ申上候
參館御面接の上御願ひ申上るが至當には御座候へ共何
分大混雜中にて其意を得ず欠禮千萬の段御容赦相成度且つ厚顏恐縮の極に存奉り候へ共御祭典當日迄に何とかの方法にて御寄
進被下候へば幸甚至極に奉存候
先は突然以て御願に及び申候
敬具百拜
昭和三年三月三十日
吉祥院天滿宮社掌 石原(菅原)定正
(六)會則第五條に依り評議員世話係は左の各係を分掌するものとす(各係と氏名)
○祭典係
藤田善治郞、村岡松之助、山崎七之助、伊
藤小助
○修繕係 石原
藤松、北村豊治郞、
藤田善治郞、伊
藤小助
○應接係 山下藤三郞、藪田安之助、石原藤松、安田信之助、井上梅吉、山田音吉、長岡益太郞、山下吉之助、藪田長三郞、增田幸次郞
○庶務係 北村豊治郞、深見德次郞、神田久一郞、平塚久吉、和田淸吉、檜垣與一郞、安田英之助
○奉納係 檜垣源兵衛、平塚松之助、東吉之助、木村卯之吉、長谷川巳之助、河井忠次郞、山中伊三郞、藤岡榮造
○會計係 深見德次郞、北村豊治郞
(七)同年三月廿九日氏子代表者會協議事項
一、寄附金募集に關する件
三月廿八日寄附臺帳記載金六千參百圓、人員五百名。
社宅及其附近借家に對し四月二、三日頃依賴せんとす。
村外依賴先未濟分再依賴をなさんとす。
氏子內にも昇格の爲奮發し寄附醵出の件
二、昇格に關する件
由緖調査幷當局に運動等委員を設けんとす。
昇格申請書文案作成し至急申請に着手すること。
村公園の一部及倶樂部を村より讓受けを出願すること(今回の修繕費を負擔する位にてせんとす)。
三、紀念碑に關する件
境內地に建設ある日淸戰爭紀念碑を公園內へ移轉せんとす。
幷に今回更に日露役忠魂碑を公園內に建設(在鄕軍人分會の主唱)
四、詳細錄の件
昇格に關係ある問題なれば至急を要するに付是又委員を設て一切を處理し促進する事
製本の程度及部數
五、祭典當日三日間のプログラム作成の件
講演、奉納(能狂言)(六齋)(落語)(活動寫眞)(生花)參拜者接待方法及設備程度
四月二十四日、四月二十五日、四月二十六日
六、事務分擔の件
副會長一名增員(檜垣與三郞)し氏子總代と共に常任從事を欲す。
其他適當なる方法
七、氏子奉祝の爲提灯揭揚の件
八、其他の雜件
◎事務
分擔表
一、總務部(設備より終了迄一切)
檜垣與三郞 深見德次郞 藤田善治郞 村岡松之助 石原 藤松 檜垣源兵衛 安田英之助 伊藤 小助 平塚繁治郞
一、庶務係(受付紀念品)
岡崎淸右衛門 檜垣與一郞 平塚 久吉 井上 梅吉 神田久一郞 安田信之助 河井忠次郞 檜垣源兵衛 石原 藤松 深見德次郞 田中 和市 和田 淸吉 藤田善治郞 石原長太郞 安田英之助 山下藤三郞 山中伊三郞 伊藤 小助
一、祭典係
石原 定正 山下茂兵衛 村岡松之助 藪田幾次郞 藤岡 榮造 石原長太郞 田中 和市
一、燈明係
長谷川巳之助 東 吉之助 山田 音吉
一、接待係
藪田安之助 木村卯之助 奈良 哲郞 平塚松之助 增田磯次郞 高橋 政吉 山崎七之助 長岡增太郞 山下吉之助 石割藤三郞 藪田長三郞
一、詳細錄編纂幷昇格申請に關する委員
檜垣與三郞 深見德次郞 田中 和市 石原長太郞 安田英之助 和田 淸吉 岡崎淸右衛門 以上(次第不同)