七草(ななくさ)とは様々な観点で挙げられた7種類の野草・野菜で、元々の「七草」は秋の七草を指しました。
- ● 春の七草
- 人日(じんじつ)の節句(旧暦1月7日)の朝、春の七草を刻んで入れた粥(七草粥)を食べる風習があります。
これは邪気を払い万病を除くために食べるのですが、御節料理で疲れた胃を休め、野菜が乏しい冬場に不足しがちな栄養素を補うという意味もあります。
| 名称 |
読み方 |
現在の名称 |
| 1芹 | せり | セリ |
| 2薺 | なずな | ナズナ(ぺんぺん草) |
| 3御形 | ごぎょう | ハハコグサ(母子草) |
| 4繁縷 | はこべら | はこべ(繁縷、蘩蔞) |
| 5仏の座 | ほとけのざ | コオニタビラコ(小鬼田平子) |
| 6菘 | すずな | カブ(蕪)[1] |
| 7蘿蔔 | すずしろ | ダイコン(大根)[1] |
| [1] | 「すずな」を「ノビル」、「すずしろ」を「ヨメナ」とする説もあるそうです。 |
- ● 夏の七草(1)
- 昭和初期に勧修寺経雄氏が詠んだ和歌「涼しさは よし い おもだか ひつじぐさ はちす かわほね さぎそうの花」に登場する夏の七草です。
| 名称 |
読み方 |
現在の名称 |
| 1葦 | よし | ヨシ |
| 2藺 | い | イ(イグサ) |
| 3沢瀉 | おもだか | オモダカ |
| 4未草 | ひつじぐさ | ヒツジグサ |
| 5蓮 | はちす | ハス |
| 6河骨 | かわほね | コウホネ |
| 7鷺草 | さぎそう | サギソウ |
- ● 夏の七草(2)
- 日本学術振興会学術部・野生植物活用研究小委員会が、戦時中の食糧難の時に食べられる植物として選定した夏の七草です。
| 名称 |
読み方 |
現在の名称 |
| 1藜 | あかざ | アカザ |
| 2猪子槌 | いのこづち | イノコヅチ |
| 3莧 | ひゆ | ヒユ(ハゲイトウ、葉鶏頭) |
| 4滑莧 | すべりひゆ | スベリヒユ |
| 5白詰草 | しろつめくさ | シロツメクサ(クローバー) |
| 6姫女菀 | ひめじょおん | ヒメジョオン |
| 7露草 | つゆくさ | ツユクサ |
- ● 夏の七草(3)
- 「写真でわかる雑草の呼び名事典」(亀田龍吉著)にある夏の七草です。
| 名称 |
読み方 |
現在の名称 |
| 1白茅 | ちがや | チガヤ |
| 2昼顔 | ひるがお | ヒルガオ |
| 3藪萱草 | やぶかんぞう | ヤブカンゾウ |
| 4蕺 | どくだみ | ドクダミ |
| 5三葉 | みつば | ミツバ |
| 6野薊 | のあざみ | ノアザミ |
| 7露草 | つゆくさ | ツユクサ |
- ● 秋の七草
- 観賞するための物で、直接何かをする行事はありません。覚え方としては七草の頭文字を順に“おすきなふくは”と読みます。
| 名称 |
読み方 |
現在の名称 |
| 1女郎花 | おみなえし | オミナエシ |
| 2尾花 | おばな | ススキ |
| 3桔梗 | ききょう | キキョウ |
| 4撫子 | なでしこ | カワラナデシコ |
| 5藤袴 | ふじばかま | フジバカマ |
| 6葛 | くず | クズ |
| 7萩 | はぎ | ハギ |
七草に似たものに七種(ななくさ)がありますが、こちらは野草・野菜ではなく7種類の穀物です。
『延喜式』に餅がゆ(望がゆ)という名称で「七種粥」が登場します。
七種を入れた餅がゆは毎年1月15日に行われ、これを食べれば邪気を払えると考えられていました。
| 名称 |
読み方 |
現在の名称 |
| 1稲 | いね | イネ |
| 2粟 | あわ | アワ |
| 3黍 | きび | キビ |
| 4稗 | ひえ | ヒエ |
| 5胡麻 | ごま | ゴマ |
| 6小豆、荅 | あずき | アズキ |
| 7蓑米、葟 | みの | ムツオレグサ |
更新日:2021/03/07