三界

 三界(さんがい)とは、仏教の世界観において、衆生(しゅじょう)(=生きとし生けるすべてのもの)が生死を繰り返しながら輪廻する世界を三つに分けたものです。 三有(さんう)ともいいます。

 三界は欲界・色界・無色界 の3つの世界から構成されます。

三界
名称 読み方 内容
1欲界 よくかい/よっかい 欲望(カーマ)にとらわれた淫欲と食欲がある衆生が住む世界です。
五趣・六道がこれに属し、無色界および色界の下に位置します。
2色界 しきかい 色(ルーパ)とは物質のことで、色界とは物質的な世界という意味です。 つまり、淫欲と食欲の2つの欲を離れた衆生が住む世界です。 欲望は超越したが、物質的条件にとらわれた生物が住む境域です。
天界の上層がこれに属し、欲界の上、無色界の下に位置します。
3無色界 むしきかい 物質的なものから完全に離れた衆生が住む世界です。 欲望も物質的条件も超越し、精神的条件のみを有する生物が住む境域です。
天界の最上層がこれに属し、欲界および色界の上に位置します。

 無色界はさらに四天に分けられ、その最高処を有頂天(非想非非想天、非想非非想処)といいます。 とても強い喜びの状態を表す表現「有頂天になる」の語源ですね。

更新日:2025/09/24