十二神将

 十二神将(じゅうにしんしょう)とは、薬師如来および薬師経を信仰する者を守護するとされる12の武神です。 十二夜叉大将(じゅうにやしゃたいしょう)、十二神明王(じゅうにしんみょうおう)ともいいます。

 十二神将は薬師如来の十二大願に応じて、それぞれが昼夜の十二の時、十二の月、または十二の方角を守るとされ、そのため十二支に割り当てられています。 また、十二神将にはそれぞれ本地(化身前の本来の姿)の如来・菩薩・明王があります。

 ただ、名前、持ち物、姿、十二支の割り当てなどに定まったものがなく、干支の割り当てなどは完全に逆順になっている例もあるようです。 「掃除の時に名札を置き間違えた」という話もあるとか、ないとか。

 十二神将はそれぞれ7,000人の眷属(けんぞく)(=従者)を率いています。 7,000人の兵は現代でいえば師団クラスの規模ですから、さしずめ十二神将は7,000名の兵を率いる師団長(少将)で、薬師如来は84,000名12個師団の軍に守られた国王といったところでしょうか。

十二支 名称 読み方 持ち物[1] 本地 他の本地
1子神 毘羯羅大将 びぎゃら 三鈷さんこ 釈迦如来 釈迦如来
2丑神 招杜羅大将 しょうとら 太刀 金剛手 虚空蔵菩薩、大日如来
3寅神 真達羅大将 しんたら 宝棒、宝珠 普賢菩薩 普賢菩薩
4卯神 摩虎羅大将 まこら 薬師如来 大威徳明王
5辰神 波夷羅大将 はいら 弓矢 文珠菩薩 弥勒菩薩
6巳神 因達羅大将 いんだら 地蔵菩薩 文珠菩薩
7午神 珊底羅大将 さんてら 螺貝 虚空蔵菩薩 観世音菩薩
8未神 頞儞羅大将 あにら 摩利支天 如意輪観音菩薩
9申神 安底羅大将 あんてら 宝珠 観世音菩薩 勢至菩薩
10酉神 迷企羅大将 めきら 独鈷とっこ 阿弥陀如来 地蔵菩薩
11戌神 伐折羅大将 ばさら 宝剣 勢至菩薩 阿弥陀如来
12亥神 宮毘羅大将 くびら 太刀 弥勒菩薩 金剛菩薩
[1]持ち物は『仏像図彙(ぶつぞうずい)』に図示されたものです。

参考

更新日:2023/11/18