五大力菩薩

 五大力菩薩(ごだいりきぼさつ)とは、『仁王般若波羅蜜経』の中で三宝(仏・法・僧)を護持する国王に対して自ら赴いてその国を守護すると説かれている、五尊の菩薩の総称です。 五大力尊、五方菩薩などとも呼ばれています。

 五大力菩薩は五大明王の化身とされており、菩薩であるにもかかわらず明王のような忿怒(ふんぬ)の形相をしています。

 醍醐寺では毎年2月23日に五大力菩薩を本尊として鎮護国家・万民豊楽を祈る 「五大力尊仁王会(にんのうえ)」、通称「五大力さん」が行われます。 同時に行われる「餅上げ力奉納」は、力自慢の男女が巨大な鏡餅(男性は150kg、女性は90kg)を持ち上げてその時間を競うものですが、起源は参拝者から自然発生的に生まれたものだそうです。 「大力」からの連想でしょうか。

五大力菩薩 (『仁王般若波羅蜜経』旧訳) 五大力菩薩 (新訳)
名称 読み方 持ち物 方位 名称 方位
1金剛吼菩薩 こんごうく〔ぼさつ〕 千宝相輪 中央 金剛手菩薩 東方
2竜王吼菩薩 りゅうおうく 利剣/金剛灯 南方 金剛宝菩薩 南方
3無畏方吼菩薩 むいほうく 千宝羅網/金剛杵 東方 金剛利菩薩 西方
4雷電吼菩薩 らいでんく 千宝羅網 北方 金剛夜叉菩薩 北方
5无量力吼菩薩 むりょうりくく 五千剣輪、転法輪 西方 金剛波羅蜜多菩薩 中央

参考

更新日:2021/05/01