六地蔵

 六地蔵(ろくじぞう)とは、全ての生命は6つの世界で生まれ変わりを繰り返すとする仏教の六道輪廻の思想に基づいて、六道のそれぞれを6種類の地蔵が救うとする説から生まれたものです。 六道を六変化(へんげ)の観音が担当する六観音の考え方と同じです。

 六地蔵の個々の名称については一定しておらず、また持物と呼称についても必ずしも統一されていないようです。

 六地蔵は六道それぞれを守護する立場の地蔵尊であり、他界への旅立ちの場である葬儀場や墓場に多く建てられました。 また道祖神信仰と結びついて、町外れや辻に「町の結界の守護神」として建てられることも多くみられます。

 ちなみに、京都で毎年8月22日・23日に巡る六地蔵は、保元2年(1157)に後白河法皇の勅命で平清盛が西光法師に命じて、京都の街道の入り口6ヶ所に六角堂を建て一体ずつ地蔵尊を分置されたのが始まりです。 ですから「京都の結界の守護神」の意味合いが強そうです。

六地蔵(1) 六地蔵(2) 関連
六道 地蔵名 読み方 地蔵名 読み方 六観音
1地獄道 檀陀地蔵 だんだ〔じぞう〕 金剛願地蔵 こんごうがん〔じぞう〕 聖観音
2餓鬼道 宝珠地蔵 ほうじゅ 金剛宝地蔵 こんごうほう 千手観音
3畜生道 宝印地蔵 ほういん 金剛悲地蔵 こんごうひ 馬頭観音
4修羅道 持地地蔵 ちじ 金剛幢地蔵 こんごうとう 十一面観音
5人間道 除蓋障地蔵 じょがいしょう 放光王地蔵 ほうこうおう 准胝/不空羂索観音
6天道 日光地蔵 にっこう 預天賀地蔵 よてんが 如意輪観音