第二番 |
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浄土宗西山深草派 総本山 本尊 阿弥陀如来 |
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誓願寺は、西暦667年、天智天皇によって奈良の地に開創されました。 開山は恵隠僧都(えおんそうず)、当時は三論宗でした。 その後、平安時代に京都一条小川[現、元誓願寺通付近]に移転、更に天正19年(1591)豊臣秀吉によって寺町三条の地に移されました。 浄土宗元祖法然上人説法の霊場とされ、浄土宗西山(せいざん)深草派の総本山です。
当寺安置の十一面観音は、弘法大師の作と伝えられ、かつては新京極中筋町[誠心院の西向かい]にあった長金寺(ちょうごんじ)[一言堂(いちごんどう)]の本尊でした。 古来、一言で願いを叶えてくれる「一言(ひとこと)観音」として信仰を集めています。 しかし明治初年に廃寺となったため、一言観音は、誓願寺茶所を経て、当寺本堂脇檀にお祀りすることになりました。 長金寺の名は、今は御詠歌にその名残をとどめるのみです。
西山深草派と一言観音とのゆかりは深く、法然上人より7代目の門弟、耀空尊證(ようくうそんしょう)上人は、「春日町一言観音堂」に住した説法者として知られ、『新千載和歌集』に「弥陀たのむ 心のうちに隔てなき 佛はさらに 身をもはなれず」との勅撰集を詠まれています。
出所:『洛陽三十三所観音巡礼』
更新日:2015/11/29