真言宗十八本山 第四番 |
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真言宗中山寺派 大本山 本尊 |
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北摂の地、紫雲たなびくといわれる中山寺は、今から千四百年の昔(西暦580年頃)、仲哀天皇の后・大仲姫ゆかりの地に、聖徳太子によって開かれた観音霊場で、西国第二十四番札所である。 本尊十一面観世音菩薩は、昔、インドのシュリーマーラー(勝鬘夫人)が、釈尊の啓示により、女人済度の悲願をこめて、自ら刻まれた霊像とされ、わが国観音信仰の濫觴とされている。 脇侍二体も同じく十一面観音で、後白河法皇の発願である。 本尊と脇侍二体の面(お顔)の数は、合せて三十三面、すなわち、西国三十三所統摂の意味となる。 後白河法皇も親しく三十三度まいりをなされた。 また安産守護の観音として名高い。 皇室の御崇信は、もちろん、武家・庶民の信仰も深く、明治初年には明治天皇御平産勅願所となり、爾来、皇后・皇太子妃御懐妊の都度、安産祈祷の上、御腹帯を献上している。 本尊の霊験はいよいよ高まり、近年、周辺交通網の完備もあいまって、日本全国はおろか海外からの参詣者も多く、日々香煙が絶えない。
出所:『十八本山巡拝案内記』から抜粋
更新日:2020/01/18