真言宗十八本山 第十六番 |
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真言宗豊山派 総本山 本尊 |
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当山のご本尊は十一面観世音菩薩で普通の観音様は左手に蓮の花をさした水瓶、右手に数珠(じゅず)をかけ、蓮花座の上におられるが、この観音様は右手に錫杖(しゃくじょう)を持ち、平らな方形の石(大磐石)にお立ちになっておられる。 このように錫杖をもって方座にお立ちになっているのは観音地蔵両菩薩のお徳をあらわすもので、御名を呼ぶ声に応じてすぐに赴むき、お救い下さる誓いのお姿であり、長谷寺独特のお姿で長谷型観音と申されている。
長谷寺は、初瀬寺、泊瀬寺ともいい豊山寺とも申されたが、今は山号を豊山(ぶさん)と称え、寺号を長谷寺と書いている。
古代から豊初瀬(とよはつせ)、初瀬神河(はつせかわかみ)など、美しい名で呼ばれていたものをそのまま寺名としている。
朱鳥(あかみどり)元(686)年道明上人は、皇室のおん為に、銅板法華説相図(国宝)を西の岡に安置され、のち神亀4(727)年弟子徳道上人は、聖武天皇の勅を奉じて、民衆のために東の岡に十一面観世音菩薩(重文)をおまつりになられた。 この上人は観音信仰に徹し西国三十三所巡拝の開祖となられた大徳であり、当山を三十三所の根本霊場と呼ぶいわれである。
出所:『十八本山巡拝案内記』から抜粋
更新日:2020/01/18